老後「1カ月の生活費」はいくらか
平均年金受給額を確認しましたが、老後はどれくらい生活費がかかるのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯における平均生活費は月15万5495円です。
厚生年金受給者がもらう平均年金額・国民年金の平均額と平均生活費の差額は、以下のとおりとなります。
「厚生年金と国民年金」と生活費の差額
- 厚生年金受給者がもらう平均年金額と平均生活費との差額:月1万1530円(月15万5495円ー月14万3965円)
- 国民年金の平均額と平均生活費との差額:月9万9127円(月15万5495円ー月5万6368円)
厚生年金受給者と国民年金のみ受給者、いずれにおいても年金だけでは生活費が不足する計算です。
特に自営業者やフリーランスなどの国民年金のみを受け取る人は、月9万9127円も生活費が不足します。年間にすると、約119万円です。老後が20年間続くとすると、不足額は合計で約2380万円にもなります。
自営業者やフリーランスは、年金以外に貯蓄などでの老後対策が必要となるでしょう。
老後に向けて必要な貯蓄額は人によって異なる
60〜70歳代の貯蓄額を解説しましたが、老後に向けて必要な貯蓄額は人によって大きく異なります。特に、年金受給額が少ない自営業者やフリーランスの人などは多くの貯蓄が必要です。
「ねんきんネット」を使えば、簡単に将来の年金受給額をシミュレーションできます。まずは自分の年金受給額をシミュレーションして、老後対策を考えるきっかけとしてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 株式会社ニップン「家庭用製品価格改定のお知らせ 」
苛原 寛