2. 在職老齢年金制度で「年金カット」される基準の金額とは

年金が減額される在職老齢年金の基準は、年金と給与の合計額で決まります。

日本年金機構の在職老齢年金の計算方法のフローチャートでイメージしてみましょう。

出所:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」

フローチャートのうち、基本月額とは「加給年金額を除いた老齢厚生(退職共済)年金(報酬比例部分)」の金額をさします。また、総報酬月額相当額とは、「その月の標準報酬月額+その月以前1年間の標準賞与額」を12で割ったものをさします。

ざっくりいうと「厚生年金の月額」と「給与」と「直近1年以内のボーナスを12で割ったもの」の合計額と覚えておきましょう。

この金額が1カ月あたり48万円以下であれば、支給停止されず年金は全額支給されます。

しかし48万円を超える場合は一部減額または全額支給停止となり、「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2」の計算式に基づいた在職老齢年金の調整がおこなわれることになります。

仮に基本月額を10万円、総報酬月額相当額を50万円とした場合、「(10万円+50万円-48万円)÷2=6万円」となりますから、年金が6万円減額されて4万円だけ支給される計算です。