最先端分野において必要不可欠な材料を手がける

東洋炭素(5310)という会社をご存知でしょうか。同社は、戦後の1947年に設立された等方性高密度黒鉛製品の世界的大手企業で、黒鉛製品は日本ではトップシェア、世界でもドイツSGL、東海カーボン(5301)と並び、およそ25%前後のシェアを有すると推定されています。

黒鉛の特性である伝導性、耐熱性、自己循環性などの特徴を生かし、シリコンウエハー、太陽電池用インゴット(単結晶)、炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)など、最先端分野において必要不可欠な材料を手がけています。

また、今後の成長分野として、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体向けSiCウエハーの研磨・薄膜化、大型化(2インチ→6インチ)での独自技術が花を咲かせ始めています。

多孔質特殊炭素のCNovel(クノーベル)についても、センサーなどの先端デバイス、電気自動車、燃料電池の負極材、反応触媒への応用開発が進行中です。

好決算で業績上方修正

2017年12月期第2四半期累計決算は、期初予想の営業利益6億円を大きく上回る13億円というサプライズでの着地となりました。2018年までの累計20億円の構造改善効果や、利益率の高いエレクトロニクス向け特殊炭素の受注・出荷が好調だったことが主因と見られます。

あわせて通期業績予想の上方修正を発表し、営業利益予想は15億円→19億円、親会社株主に帰属する当期純利益予想は15億円→16億円にそれぞれ上方修正されています。

営業利益の下期分はわずか5.7億円(対上期比▲57%)に過ぎず、同社小西社長の「現時点で心配事は何もない」とのコメント(決算説明会)、下期の為替前提(105円/ドル、115円/ユーロ)、海外売上高が高いことなどを考慮すると、再度の上方修正の可能性もありそうです。

東洋炭素の過去5年間の株価推移

本稿は「個人投資家のための金融経済メディアLongine(ロンジン)」の記事のダイジェスト版です。全文は以下からどうぞ(有料記事)。
>>東洋炭素(5310)業績の回復と株価の上昇が始まったか

 

LIMO編集部