●介護を見据えた間取り①介護を見据えた部屋を1階リビング横に設ける
介護が必要になると、階段の上り下りが苦になります。
新築時に可能であれば、1階のリビング横に「介護を見据えた部屋」を設けることで介護への備えとなるでしょう。
客間や子どものプレイルーム・趣味を楽しむ部屋として使用すれば、無駄なスペースにはなりません。
また、リビング横に設けることで、体調の急変やベッドからの転落といった事故にもすぐに気付くことができます。
仮に寝たきりになったとしてもコミュニケーションをとりやすく、お互いの負担を軽減できるでしょう。
●介護を見据えた間取り②廊下・トイレ・浴室は広めに設計する
車イス1台が通れる通路幅は、最低90cm。余裕を持って通れる通路幅は、120cm以上とされています。
ただし、家全体の廊下を広くすると居住スペースが狭くなるため、介護用居室との動線を考慮したプランニングが必要。
要介護者の生活に欠かせないトイレ・浴室も、あらかじめ広めに設計しておくと安心でしょう。
要介護者と介助者が負担なくスムーズに動ける広さの確保や、収納スペースの位置や向きも重要になります。
滑りやすい場所で「立ち座り」の動作が求められるため、転倒防止の手すりを設置できるような壁材にするとよいでしょう。
●介護を見据えた間取り③温度や明るさに配慮する
介護の有無を問わず、高齢になるとヒートショックのリスクが高くなります。
浴室やトイレの事故に備えて、浴室空調の検討、もしくは暖房器具の設置場所・コンセント位置を確保しておくとよいでしょう。
また、夜間にトイレに行く頻度が増えることも想定され、真っ暗な場所での移動は転倒のリスクも高まります。
トイレのスイッチや通路には、人感センサーライトを設置すると安心です。
●介護を見据えた間取り④回遊動線を考慮する
介護が必要な方にとって、移動距離の長さは苦痛を感じてしまうもの。
ドアが一方向しかなかったり、廊下のつきあたりで往復が必要になってしまったりすると、移動そのものが億劫になります。
介護用居室には「リビング側・水まわり側それぞれに扉を設置する」といった、要介護者が回遊しやすい動線を考慮しましょう。
可能であれば、介護用居室前にトイレを設置することをおすすめします。