中学受験、高校受験そして大学受験の中でも圧倒的に大きな変化を見せているのが大学受験です。とくにその代表格なのがAO入試、現在の総合型選抜です。慶応義塾大学が1990年に初めて行ったAO入試は、今では大学入試の一つとして認識されるまでになりました。
入試内容は各大学によって異なりますが、基本的に受験生の提出書類(志願理由書と調査書)や小論文と面接が課せられる入試です。国公立大学では共通テストも必須の大学もあります。
筆記試験に比べると学力が問われないと思われることも多いものの、学部学科の定員数は限定的で人気大学は全国から志願者が集まるので狭き門です。
今回は、総合型選抜で勝負する受験生が夏休み中にやっておきたいことをご紹介していきます。
夏休みの総合型選抜対策:その1「願書提出期間の確認」
21世紀に入り大学入試の一つとして浸透している総合型選抜。令和4年度入学者の総合型選抜で入学した学生の人数と割合は以下の通りになっています。
- 国立大学 5439人(5.6%)
- 公立大学 1294人(3.8%)
- 私立大学 7万8175人(15.7%)
とくに私立大学では6.5人に1人が総合型選抜を経て入学していることになります。
総合型選抜の選考は秋から初冬にかけて行われ、年内に合否が判明する学校が大半を占めます。しかし、入試が行われる各大学、学部学科で異なり統一されていません。
国公立大学の筆記試験のように「大学共通テストを受けてテスト結果を受けて受験校を決めて出願し二次試験を受ける」という決まった流れはないので、総合型選抜を受けると決めたらすぐに、志望校の「願書提出の締め切り日」「必要な書類」「選考日程」を把握することが大切です。
私立大学のなかには出願を夏休み期間である8月中旬から受け付ける大学もあります。夏休みに入ってから本格的に検討するのではなく、早々に受ける大学を決めたり書類を揃える準備をしていきましょう。
夏休みの総合型選抜対策:その2「アドミッション・ポリシーへの理解」
筆記試験の受験では、自分の学力や共通テストの結果を踏まえて受験校を変更することが珍しくありません。
一方、総合型選抜では大学の教育方針に感銘を受け「ここで学びたい」と熱望する受験生が出願し、学校側が求める学生を見極める入試制度です。
募集要項に明記してあるアドミッション・ポリシーは、大学の教育方針を基に「こういう学生を求めています」という受け入れ方針です。このポリシーに共感した受験生が総合型選抜を受けます。
筆記試験との性格の違いを理解し、総合型選抜で受験する場合は大学や学部学科ごとの「アドミッション・ポリシー」を理解し、自分と合っているかしっかり考えましょう。
また、基本的に専願前提ですが併願可能な大学もあります。複数校受ける場合は、面接時に質問される可能性もあるのでアドミッション・ポリシーを混同しないように気をつけてください。