近年、物価高が続いています。総務省統計局によると、2023年4月の消費者物価指数は前年同月比で+ 3.5%でした。

物価高は、特に年金だけで生活する無職世帯に大きな影響を与えます。では、65歳以上無職世帯の生活費は1年でどれくらい増えたのでしょうか。

本記事では、総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」をもとに、2022年と2021年で65歳以上の無職世帯の生活費がどれくらい上昇したのかを解説します。年金受給額を併せて確認するので、参考にしてみてください。

1. 65歳以上・無職世帯の「生活費」は年いくら増えたか

総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、2022年における65歳以上無職世帯の生活費は以下のとおりです。

出所:総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」

  • 65歳以上夫婦のみ無職世帯         :月26万8508円(年間322万2096円)
  • 65歳以上単身無職世帯               :月15万5495円(年間186万5940円)

また、総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2021年(令和3年)平均結果の概要」によると、2021年における65歳以上無職世帯の生活費は以下のとおりとなります。

出所:総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2021年(令和3年)平均結果の概要」

  • 65歳以上夫婦のみ無職世帯         :年間306万1200円(月25万5100円)
  • 65歳以上単身無職世帯               :年間173万6964円(月14万4747円)

2022年と2021年のデータを比べると、夫婦のみ世帯では年間生活費が16万896円も上昇しています。単身世帯では12万8976円の上昇です。

生活費の内訳を見てみると、食費や水道光熱費の支出が特に増えています。夫婦のみ世帯では食費が年2万3844円、水道光熱費が3万7380円の増加です。

スーパーなどの買い物で値上げを感じたり、毎月の水道光熱費の明細を見て高いと感じたりした人も多かったのではないでしょうか。データでも、そのことがはっきりとわかります。

年間に約16万円も支出が増えては、生活がしづらくなったと感じる人も多いでしょう。