航空業界の二大大手であるANAホールディングス(9202)とJAL(日本航空・9201)は年初来、力強い株価の回復が続いています。
特に第3四半期以降にはJALは最終損益での黒字転換を実現するなど、コロナ禍からの需要回復が鮮明なものとなっており、株価上昇の原動力になっていると考えられます。
今回はANAとJALそれぞれの株価について見ていきましょう。
※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
1. 【ANAとJAL】インバウンド需要の回復に伴い業績改善へ
ANAもJALも2023年度の第3四半期以降、急速な業績回復が見られます。
JALはコロナ禍で続いていた赤字において、第2四半期にEBITベースで黒字転換に成功し、第3四半期には純利益ベースでの黒字化に成功しました。
ANAについても前年度は第3四半期時点で1000億円を超える営業赤字を抱えていましたが、2022年度は989億円の黒字化に至っています。
貨物輸送こそ、半導体などの輸送需要の緩みによりANAは売上が減ったものの、両者とも国際旅客の水際対策の緩和や国内でのウィズコロナの定着を背景に大幅な回復が見られ、業績回復の原動力となりました。
今後も当面はインバウンド需要の回復が見込まれることから、株価も力強い上昇を示していると考えられます。