4.2 国民年金額の分布の様子
- 1万円未満:7万27人
- 1万円以上~2万円未満:28万4152人
- 2万円以上~3万円未満:90万3006人
- 3万円以上~4万円未満:274万9550人
- 4万円以上~5万円未満:463万6048人
- 5万円以上~6万円未満:791万730人
- 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
- 7万円以上~:187万2466人
5~6万円が大半を占めています。
一度も厚生年金に加入しなかった自営業や専業主婦の方などは、老後に向けた貯蓄がより必要になるでしょう。
5. 厚生年金と国民年金「夫婦・おひとりさま世帯」の受給額
実際に支給された国民年金と厚生年金の受給額をもとに、世帯形態や加入する年金で平均額を試算していきます。
5.1 夫婦世帯の合計年金額
- 夫婦とも厚生年金:26万8066円(夫:16万3380円+妻:10万4686円)
- 夫が厚生年金+妻が国民年金:21万7726円(夫:16万3380円+妻:5万4346円)
- 夫が国民年金+妻が厚生年金:16万3699円(夫:5万9013円+妻:10万4686円)
- 夫婦ともに国民年金:11万3359円(夫:5万9013円+妻:5万4346円)
5.2 シングル世帯の年金額
- 男性で厚生年金:16万3380円
- 男性で国民年金:5万9013円
- 女性で厚生年金:10万4686円
- 女性で国民年金:5万4346円
夫婦共働きで厚生年金に加入する場合、老齢基礎年金も合わせた2人の合計は26万8066円です。
これは2021年度末時点での平均を参考にしているので、2023年度ベースではさらにあがっている可能性もあります。
ただし、「平均通りの年金が受給できるとは限らない」という点には注意が必要です。
受給額の分布を見てわかったとおり、厚生年金の受給額は現役時代の給与や加入期間によって差がでます。
さらに今後は年金の水準が減少したり、受給開始年齢が後ろ倒しになる可能性にも注意が必要です。
また女性の厚生年金額が少なくなっていますが、もし結婚・出産を経ていないおひとりさまの場合、男性と同様のキャリアを築いているケースもあるでしょう。
この場合は受給額がもっとあがる可能性もあります。平均だけではなく、自分自身の目安額を確認することが重要です。
6.「厚生年金と国民年金」確認してから老後対策を
年金の受給額について、夫婦形態や働き方によってシミュレーションしてみました。
公表されている標準夫婦の年金額は「月額22万4482円」ですが、すべての世帯にあてはまる数字でないことがよくわかりますね。
平均だけでは実態も未来の受給額もつかめないため、ねんきん定期便やねんきんネットで「自分の目安額」を確認することが重要です。
確認することで、老後資金として足りない分が明確に把握できるでしょう。
足りない老後資金は、NISAやiDeCoなど少額から積み立てられる金融商品で準備する方法もあります。老後までの時間が長いほど、選択肢は広がります。
まずはご自身の老後を想像しながら、どんなマネープランが必要かをじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
太田 彩子