2. おひとりさま世帯が老後までに準備したい金額は?
では、おひとりさま世帯が老後を過ごすために必要な貯蓄はどれくらいなのでしょうか。
ジブラルタ生命保険株式会社が20歳~69歳の未婚男女4700名(男性2350名・女性2350名)に行った「おひとりさまに関する調査2022」によると、リタイアまでに準備したいお金の平均は、男性2530万円、女性2057万円でした(2022年12月22日公表)。
少し前に話題になった「老後2000万円問題」の影響もあるのか、単身世帯においても老後の生活資金として2000万円以上を持っておきたいと思う人は多いようです。
老後2000万円問題は、夫婦2人の生活費の不足分として計算されていますが、実は「介護費用が含まれていない&持ち家が前提」となっています。
冒頭でも触れましたが、ここ最近の物価上昇や年金受給額の減少なども考慮すると、おひとりさま世帯においても2000万円を目標にするのは決して過剰な金額ではないのです。
3. 70歳代のひとり世帯の貯蓄分布を円グラフで確認
いまの日本は、単身世帯「おひとりさま」が年々増えていることが分かりました。
厚生労働省が2022年7月29日に公表した「令和3年簡易生命表の概況」によれば、日本人の平均寿命は男性81.74歳、女性87.57歳となっています。
人生100年時代ともいわれ、平均寿命はこれから先も上がっていくことでしょう。
長生きの現代において、貯蓄は多くあるに越したことはありません。では、70歳代・単身世帯の貯蓄はどれくらいあるのでしょうか。
金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」を参考にしてみましょう。
70歳代・おひとりさまの貯蓄額は平均1433万円、中央値は485万円です。
- 金融資産非保有:28.3%
- 100万円未満:5.2%
- 100~200万円未満:4.0%
- 200~300万円未満:4.2%
- 300~400万円未満:4.6%
- 400~500万円未満:3.0%
- 500~700万円未満:8.8%
- 700~1000万円未満:4.8%
- 1000~1500万円未満:5.6%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:16.1%
- 無回答:1.2%
平均値は、一部の極端な大きいあるいは小さい数値に影響されるため、中央値の方がより現実に近い数値だといえます。
円グラフをみると、貯蓄なし(金融資産被保有)が28.3%となっており、実に10人に3人を占めています。
その一方で2000万円以上の資産を保有する世帯は24.3%となっており、70歳代の金融資産の保有額には、非常に大きな個人差があることが分かります。
趣味や旅行、身内や友人との付き合い、病気や介護、また今年のような物価高にも対応してくれる貯蓄ですが、70歳代では心もとない方の方が多いようです。