2023年6月13日に開催された「こども未来戦略会議」にて、貸与型奨学金の年収上限を、こども3人以上世帯に限り600万円以下まで引き下げることが決定しました。
厚生労働省の発表した「国民生活基礎調査」によると、2022年の一世帯あたりの平均所得金額は「564万3000円」となり、中央値は「440万円」です。
平均所得額以上となる「600万円台」の世帯割合は全体の7.9%となっており、その割合は少ないものと言えます。
では、そのような比較的高収入に分類される世帯年収「600万円台」の貯蓄額・負債額はどのくらいなのでしょうか。
本記事では、実際の調査データをもとに世帯年収「600万円台」の貯蓄額・負債額について解説しています。
世帯年収600万円台の家庭の傾向や、純資産額についても紹介しているので、参考にしてください。
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年収「600万円台」世帯の傾向は?二人以上・勤労世帯の家庭
世帯年収「600万円台」は平均所得額以上であり、その割合は7.9%であることがわかりました。
中央値が「440万円」であることから、「600万円台」は比較的、高年収世帯に分類されます。どのような家庭が多いのでしょうか。
総務省統計局による「家計調査報告(貯蓄・負債編)」では、年収600万円台の世帯の傾向は【表1】のとおりとなりました。
「世帯主の配偶者のうちの女の有業率」をみてみると、「600万円〜650万円世帯」「650万円〜700万円」ともに有業率が50%以上となっており、700万円以上の世帯年収の家庭においても有業率は50%を切っていません。
上記の結果から、600万円台を含む高年収世帯ほど「共働き」をしている世帯が多い傾向にあるとうかがえます。
世帯年収「600万円台」の貯蓄額
では、世帯年収「600万円台」の貯蓄額はどのくらいなのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)」の、二人以上の勤労世帯における年収600万円台の世帯の貯蓄額は【表2】のとおりとなりました。
平均貯蓄額は「600万円〜650万円世帯」で1130万円、「650万円〜700万円世帯」で1134万円です。
貯蓄の内訳をみてみると、通貨性預貯金の割合のほうが、定期性預貯金よりも多い傾向にあります。
年収600万円台世帯の70%以上が持ち家を所有しています。
その持ち家のローン返済があることから、預け入れ期間が決められている定期性預貯金よりも、いつでも引き出せる通貨性預貯金の割合を高めにする人が多いのかもしれません。