住宅ローンや教育費、子どもが中高生ともなれば、スマホ代やお小遣いなど、何かと出費がふえる40歳代。貯金するお金などないという世帯は少なくないでしょう。
しかし、40歳代は、自分たちの老後の生活のために資産形成を始めておきたい重要な年代でもあります。
本記事では、いま貯蓄残高がゼロの人にぜひ取り組んでいただきたいことを3つご紹介します。あせらず、でものんびりし過ぎず、実行してみてください。
1. 40歳代で貯蓄ゼロは約26%
最初に、40歳代の貯蓄事情をみておきましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」によると、40歳代の二人以上世帯のうち貯蓄ゼロの世帯は約26%でした。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」をもとにLIMO編集部作成
- 平均:825万円
- 中央値:250万円
※金融資産非保有世帯を含む
- 金融資産非保有・・・26.1%
- 100万円未満・・・11.1%
- 100万~200万円未満・・・7.2%
- 200万~300万円未満・・・5.4%
- 300万円~400万円未満・・・5.5%
- 400万円~500万円未満・・・4.2%
- 500万円~700万円未満・・・7.9%
- 700万円~1000万円未満・・・7.3%
- 1000万円~1500万円未満・・・7.4%
- 1500万円~2000万円未満・・・3.8%
- 2000万円~3000万円未満・・・5.2%
- 3000万円以上・・・4.9%
- 無回答・・・3.8%
40歳代の平均貯蓄額は825万円、中央値は250万円です。
ボリュームゾーンをみてみると、金融資産非保有が26.1%。つまり貯蓄ゼロの世帯が最も多いことがわかります。次に多いのが100万円未満。貯蓄ができていない世帯がたくさんいて少し安心したという方もいるかもしれません。
いまは現役で働き、毎月収入を得ているので貯蓄がなくてもやりくりできるでしょう。しかし、年金生活になれば収入はガックリと下がります。足りない場合には貯蓄を取り崩すことになるため、老後に向けて準備をしておく必要があるのです。
2. 40歳代が知っておきたい年金額
「年金不安」や「年金だけでは足りない」とよく聞くものの、「自分はけっこうもらえるから大丈夫だろう」と思っている方もいるでしょう。
しかし、現行の制度では、年収700万円で40年間働いても、年金20万円を受け取ることができません。いまの年金世代の方の平均受給額は次の通りです。
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出所:厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
【国民年金の平均受給月額】
- 男女全体:5万6368円
- 男性:5万9013円
- 女性:5万4346円
【厚生年金の平均受給月額】
- 男女全体:14万3965円
- 男性:16万3380円
- 女性:10万4686円
自営業やフリーランスの方は「国民年金」、会社員や公務員など厚生年金に加入していた方は「厚生年金」となります。
厚生年金の保険料は毎月の給与や賞与から天引きされており、「こんなにも納めるの?」と驚いたことがあるかもしれません。「こんなにも」納めているので、老後の受給額も期待してしまいますが意外と少ないのです。
ここでは、いまのシニア世代の方の平均受給月額を見てきました。
将来、自分がどれくらい年金をもらえるのかは、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することができます。
これまでの年金加入記録に基づいた現時点でのものになるため、ざっくりとした金額にはなりますが「だいたいこれくらい」と想定しておきましょう。
「厚生労働省の公的年金シミュレーター」も便利です。働き方を変えた場合や年収アップした場合などさまざまなパターンで将来の年金受給額を試算することができます。
3. 40歳代で貯蓄ゼロの人がやるべきこと3つ
貯蓄ゼロ、将来の年金は期待できない、となると少しでも早く老後に向けた資産形成を始めたいところです。
とはいえ、40歳代から50歳代にかけては出費が増える一方というご家庭は多いでしょう。
そんな中だからこそ、貯蓄ゼロを抜け出すために取り組んでほしいことを3つご紹介します。
3.1【その1】家計の支出見直し
基本的なことになりますが「家計」を見直すことは非常に重要です。
特に40歳代でお子さんがいらっしゃる家庭は、急な出費も多いと思われます。
お小遣い、塾や習い事の合間の補食、部活で必要な用具の買い替えなど、1回あたりは大きな金額でなくても積み重ねれば月に数万円ということも。突発的で、こまごました出費はついつい忘れがちですが、記憶をたどって書き出してみてください。
また、減らせる固定費がないかも確認しましょう。何度も見直して、これ以上削れないと思っていても、あらためて見てみると発見があるかもしれません。
たとえば、スマホのお得プランを利用するためのオプションは、一定期間を過ぎれば外してOKというケースが多々あります。あるいは、無料期間が終わり有料になっているものもあるかもしれません。
月額500円程度でも年間では6000円の出費です。これが家族4人分ともなれば2万4000円もの支出を削れることになります。少し面倒な作業にはなりますが、100円でも200円でも多く貯金するという強い気持ちで取り組んでみましょう。
3.2【その2】先取り貯金
貯蓄ゼロの方は、使えるお金の範囲内でしっかり使い切るタイプなのかもしれません。この場合は、お給料が入ったらすぐにいくらか貯蓄にまわす「先取り貯金」をしてみましょう。
まずは1000円、2000円と少額からでかまいません。使えるお金が減ってもなんとかやりくりできれば、翌月は先取り貯金をふやす、といった具合に少しずつ貯蓄にまわしていきましょう。
いきなり貯蓄額を大きくする必要はありません。少しでもお金を貯めていく意識をうえつけるくらいの気持ちで取り組んでみてください。
貯蓄額は「努力の証を数値化したもの」ともいえます。義務的に始めた先取り貯金が、いつしかやりがいに変わっていけば楽しくお金を貯めていけるでしょう。
3.3【その3】つもり貯金
お金を使った”つもり”で貯蓄にまわす方法もあります。
コーヒーを買ったつもりで150円、スイーツを買ったつもりで300円というように、◯◯したつもりでコツコツお金を貯めて行く方法です。
ほかにも、気になったものを買うか迷ったけど買わなかったとき、友人とランチに行く予定がなくなったときなど、結局使わなかったお金を貯めていくのもおすすめです。
コンビニで買い物をすませることが多い方は、スーパーやドラッグストアなどで少しでも支出を減らし、その分を「コンビニで買ったつもり」で貯金してもいいですね。
4. まずは意識を貯蓄に向けるところから。
40歳代は住宅ローンや教育費といった固定費に加え、お子さんの成長とともに食費や習い事、服飾代など、とにかく出費がふえやすい世代です。
高齢になってきた親の介護や、近づいてくる自分の老後などにも備えておきたい、でもそこまで手も頭も回らないという方は少なくないと思います。
そんな中で貯蓄ゼロを抜け出すには、意識をかえることがポイントです。
意識をかえるために、本記事でご紹介した3つの方法のいずれかを義務的でもよいので試してみてください。
義務で始めたことも、気がつけば楽しみに変わっていくかもしれません。無理のない範囲でコツコツと。
参考資料
和田 直子
