2023年6月3日にログミーFinance主催で行われた、第56回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナーの第3部・株式会社コラントッテの講演の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社コラントッテ 代表取締役社長 小松克已 氏
株式会社コラントッテ 取締役管理統括本部長 井阪義昭 氏
元・ファンドマネージャー/元・ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
経済アナリスト/経営コンサルタント 増井麻里子 氏
INDEX
小松克已氏(以下、小松):本日はご多忙のところ、お時間をいただき誠にありがとうございます。株式会社コラントッテ代表取締役の小松克已でございます。ただ今より説明会を始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
本日の流れとして、まずは当社の会社概要と強みについてご説明し、次に2023年9月期の業績予想、今後の成長戦略、最後に株主還元についてお話しさせていただきます。
会社概要
小松:最初に、当社の企業概要と強みについてお話しします。当社は1997年10月に設立し、今年で25年になります。創業時より、医療機器である家庭用磁気治療器を柱として、健康関連製品の製造販売を事業内容としています。
創業の経緯
小松:創業のきっかけは、私の父が病で倒れたことです。長期入院し、肩、背中、腰の痛みを訴える父をなんとか楽にしてあげたいと思い、自分で試行錯誤して磁石入りサポーターを製作したことが始まりとなります。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):創業の経緯を簡単にお話しいただきましたが、小松社長は前職では何をされていたのですか?
小松:私は、小学校2年生の時から作文に「社長になる」と書いていました。中学生の時に「何屋さんになるか」を考えた際、「服屋さんなら服を安く買える」「靴屋さんなら靴を安く買える」と思いましたが、当時の自分の中で一番高いものは家だったことや、田中角栄の時代だったこともあり「家屋さんになろう」と決めました。
その後は、建築会社に入って建築士の資格を取得し、24歳で起業しました。建築会社や設計事務所などを経営して、29歳の時には自宅と自社ビルも建てました。
坂本:その後でお父さまにサポーターを作られたということですが、建築業は現在も行っているのですか?
小松:現在はやっていません。
坂本:サポーター1本で行くというかたちになったのですね。
小松:そうですね。父親が脳梗塞で倒れ、左半身が痺れて寝返りが打ちにくい状態になりました。当時の私は磁石に多少詳しく、N極S極の交互配列が非常によいということで、スライド右下の写真にあるようなサポーターを、友達に2枚だけ手作りしてもらいました。
このサポーターは寝たままで着せられるもので、父親の腰と背中にまいたら、父親の場合はずっと寝返りできずに痛みを感じていたところが2日ぐらいでよくなりました。病院で医者たちにも試してもらったところ、「20分から30分すると背中がチリチリして、血行がよくなるのがわかる」とおっしゃってもらいました。
磁石の交互配列の話をすると「これはすごい」ということで、医者にもぜひ作ってほしいと勧められました。後々特許を取るのですが、当社のタンクトップやウエストベルトの原点は父親の病気で、医師にも勧められたことがきっかけでコラントッテがあります。
経営理念
小松:当社の経営理念は「本気の笑顔の実現」です。私自身、人を幸せにする一番身近な方法は本気の笑顔だと若い時に確信し、それを会社の経営理念としました。現在は「今日も、笑顔のそばにいる。」をスローガンに、プロモーション展開も行っています。
坂本:先ほどのお父さまのお話でも、2日ぐらいでよくなれば確かに笑顔が生まれると思います。この「本気の笑顔」という経営理念が、なぜ生まれたのか教えてください。
小松:先ほどの続きにもなりますが、29歳で自宅と自社ビルを建てて、自分なりに小学生の頃からずっと思い描いてきた目標を叶え続けてきました。ある時、その4階建ての自社ビルの最上階で缶ビールを飲みながら、いろいろと考えたのです。
当時は、建築会社と設計事務所の他に、私の名字である「小松」から「❜2(コンマツー)」と名付けたフランス料理店や、ゴルフが好きでしたのでゴルフウエアのお店を経営していました。
また、釣りが好きだったため、オキアミを潰して中和剤を混ぜる機械「コマツクラッシャー」を発明して特許を取得し、沖縄から青森沿岸の釣具屋に販売するなど、手広く事業を拡大し順風満帆に見えるような状態でした。
そのような中で、35歳くらいの時にちょうど心に空白がある状態になり、何のためにこのように事業を展開しているのかを考えました。そして、ビジョンと目標の違いを意識するようになり、目標は具体的なもの、ビジョンは抽象的なものだとわかりました。
今まで考えてきた「社長になりたい」「自社ビルを建てたい」というのは全部目標で、「自分は何のために事業を行うのか」というのがビジョンだと気づきました。その結果、私は今まで「笑うために」「笑顔が欲しいために」一生懸命働いてきたことがわかってきました。
「笑うため」というビジョンがわかると、次の目標を決める時に、もうすでに笑っている自分がいることに気づきました。ビジョンは目標を達成しないと行き着かないものではなく、近くにあるもので、目標をきっちり決めたら「いつも笑っている」という自分の描いた抽象的な思いが実現できることがわかりました。それからは笑顔をずっとビジョンにしています。
現在は「本気の笑顔の実現」を掲げており、社員にも「いつも笑ってるか?」とよく質問します。人間関係や家族、健康など全部含めて、やはりずっと笑顔でいられることが一番幸せだと思っていますので、常にそれを意識しながら仕事をしています。
事業ストラクチャー
小松:当社の事業ストラクチャーです。経営理念を実現するため、事業領域として「健康に関する領域」と「生活不安に関する領域」を設けています。
「健康に関する領域」には、磁気治療器がベースとなる「Colantotte」「Colantotte RESNO」があります。また、2022年4月から新しく女性に特化したブランド「Lierrey(リエリィ)」を立ち上げました。「生活不安に関する領域」にはCSS事業があります。
市場環境 当社のターゲット層 市場規模イメージ
小松:当社が想定している主要ターゲット層についてご説明します。当社は磁気治療器を主力製品としており、その製品は人々の血行の改善やコリの緩和に効果を発揮しています。
日本国内で、肩コリ・腰痛などの自覚症状を感じている方は、推定で約1,700万人います。その中には、当社製品をまだご利用されていない方もたくさんいます。今後は自覚症状のある方をターゲットとすることはもちろん、スポーツを日常に取り入れている方々に対して、疲労回復やパフォーマンス向上に寄与する商品を積極的に開発していきたいと思います。
日本人と「肩コリ」の関係
小松:日本人が感じる身体の不調のうち、上位2つが肩コリと腰痛です。新型コロナウイルス感染症による外出制限が長引いたことで、運動不足を感じている方も多いと思いますし、在宅勤務の普及によるデスクワーク時間の長さも影響しているかもしれません。
したがって、肩コリや腰痛を軽減することが、より健康的に元気な生活を送る上で重要な要素になると想定しています。
「コリ」の構造について
小松:「コリ」についてご説明します。コリのメカニズムは、まず筋肉が緊張して筋肉疲労を起こし、緊張した筋肉は収縮を繰り返し硬くなります。筋肉内の血管が圧迫され、血行が悪くなると、血流量が低下して老廃物が蓄積され、筋肉細胞に酸素や栄養素が届きにくくなり、筋肉内の神経を刺激することでさらに筋肉が硬くなります。その時に発生するコリが、肩コリや腰痛の原因の1つとなります。
これをそのまま放置してしまうと、痛みによる筋肉の緊張が発生し、さらなるコリにつながります。磁気治療器の最大の特徴は、血流を改善することで筋肉の緊張を和らげ、コリを緩和することが認められているところです。
「身体のコリ対策」市場の構造
小松:スライドには、身体のコリ対策への対応と価格帯、市場環境について記載しています。肩や腰の痛みやコリを緩和するための手段は、体操やストレッチなどの費用をかけない方法から、マッサージなどでサービスを受ける方法、湿布薬や飲み薬などの服用、健康器具などを利用する方法まで、さまざまです。
当社は家庭用磁気治療器を取り扱っており、カテゴリーとしてはスライド右上の「器具を利用する」部分に入ります。現在、こちらの市場規模は2,200億円と推定されています。
家庭用永久磁石磁気治療器における当社ポジション
小松:家庭用磁気治療器を扱っている他社との違いについてご説明します。スライドには、国内の主な取り扱い企業2社と比較した図を記載しています。
A社は、磁気治療器としてネックレスが8種類あり、価格は1,980円から1万5,400円の範囲で販売されています。B社は、磁気治療器としてネックレスが4種類、テープタイプが18種類あり、価格は400円から3,500円の範囲で販売されています。
この2社と比較した場合、当社の磁気治療器はネックレス、ループ、アパレル、サポーターなど全部で70種類以上の幅広い商品を展開しています。価格も1,650円から2万8,600円と、2社と比べて高価格の商品を取り揃えていることが特徴です。
坂本:この価格の違いは、磁気の数や素材によるものですか?
小松:今までの磁気治療器は目立たないように隠すことや、匂わないことに重きが置かれていました。我々は、磁気治療器をひとつの「おしゃれ」として捉えて商品を作っており、この考え方は医療機器では当社が初めてだと思います。
価格差の要因には当然磁石の数などもありますが、例えばネックレスのトップの部分は完全にアクセサリーとして手作りしたり、七宝焼きを使ったりすることで、人目についてもおかしくないものを一生懸命作った結果、多少価格帯が上がっています。
今までは治療器を身に付けていることを隠したり、言わなかったりしていましたが、今はそうではありません。「感覚的によいものが欲しい」「肩こりの磁気治療器が見えてもよいじゃない」というお客さまのニーズにぴったりと合わせたことが、高価格帯でも売れることにつながっているのではないかと思っています。
坂本:ありがとうございます。非常によくわかりました。
販売チャネル
小松:販売チャネルについてご説明します。当社は、リテール、ホールセール、ECの3つのチャネルで販売しています。リテールは当社の直営店舗での販売となります。現在は国内に16店舗を運営しており、関東、中部、関西、福岡の主要都市の百貨店やショッピングモールに出店しています。
ホールセールは卸売販売となります。主にスポーツ関連の卸売店や量販店、さらに家電量販店やテレビ通販など幅広い取引先に販売しています。ECは、自社ECサイトでの販売に加え、大手ECサイトでの自社モールや越境ECを展開しています。
Colantotte 製品ラインナップ
小松:スライドは、当社が製造販売している主な製品の一覧です。ネックレス、ループ、枕、サポーター、ウェアなど、首・肩から足先までのほぼ全身をカバーしており、磁気治療器としては業界トップの製品アイテム数を展開しています。
コラントッテ事業/Colantotte 主要製品
小松:「健康」に関する領域の主力ブランドである「Colantotte」についてご説明します。「Colantotte」ブランドの製品は、現在50種類以上のラインナップがあり、価格帯は2万円以上、1万円から2万円未満、1万円未満まで、さまざまな種類を取りそろえています。
中でも、2万円以上の販売構成比の高さが特徴で、こちらは他社とは一線を画す、高いブランド力による信頼性の表れであると認識しています。高価格帯が売れる理由については、先ほどご説明したとおりです。
コラントッテ事業/Colantotte
小松:「Colantotte」ブランドの中の主力商品である「Colantotte TAO」シリーズについてです。ネックレスは当社の製品の中で最も高い売上構成比となっています。その中でも、「Colantotte TAO」シリーズは高いデザイン性と効果・効能から人気が高く、ネックレス全体の61.3 パーセントを占めています。
坂本:「Colantotte TAO」シリーズが一番の売れ筋製品ということですが、この売上構成比は昔からほぼ変わりませんか? 近年で何か変わったことがあれば教えてください。
小松:アイテム別の売上構成比として、ネックレスが最も高い比率であることは変わりありません。ただし、2022年4月に女性用ブランドを出したため、男女の比率において女性が多少増えてきたという変化があると思います。
コラントッテ事業/Colantotte RESNO
小松:「Colantotte RESNO」は、今年4月にブランド戦略を変更しました。これまでは「運動・休養・栄養」という健康の3大要素をトータルに考え、日々のセルフケア習慣をサポートする商品を展開するブランドと位置付けていました。
今年4月に行ったリブランドにより、「睡眠」にフォーカスし、質のよい睡眠をサポートする製品を展開するブランドとなりました。今後も、ウェアや枕、サプリメントなど、さまざまな製品を展開する予定となっています。
コラントッテ事業/Lierrey
小松:2022年4月より、女性に特化したブランド「Lierrey(リエリィ)」を発売しました。当社の製品は男女どちらでもご利用いただけるデザインです。しかし、男性スポーツ選手の着用がテレビやインターネットでよく見られるせいか、男性向けの商品と思われる女性の方も少なくありませんでした。
肩こりを感じているのは女性のほうが多いというデータもありますので、女性向け製品はより大きな潜在市場を持っていると考えています。今後は、ネックレスはもちろん、ナイトウェア、ルームウェアなど積極的に商品を展開していきたいと考えています。
CSS事業
小松:「生活不安」に関する領域のCSS事業についてご説明します。「CSS」は「コラントッテ・セーフティ・システム」の頭文字で、2017年1月にサービスを開始しました。
この事業は、2014年5月に見たニュースがきっかけで始めました。そのニュースとは「東京から認知症のおばあさんが勝手に電車に乗って群馬県のほうまで行ってしまい、そのおばあさんが見つかったのは、なんと7年後だった」というものです。
私はそのニュースを見て、いたたまれない気持ちになりました。7年間も生きているのかどうかがわからない状態が続き、ご家族の方がどれほど心配されたのだろうと思ったのです。
今は枕などいろいろな製品がありますが、これまで数多くの身に着ける製品を作ってきましたので、その経験で何か役に立てないかと考え「CSS(コラントッテ・セーフティ・システム)」を立ち上げました。今は、ネックレスや手で持つ物などを展開しています。
このように地道な社会貢献から始まり、システム特許を日本とアメリカで取得して、現在は大手企業とのコラボレーションを進めている状態です。
「見せる&魅せる」磁気治療器の新たな市場を創造
小松:当社の最大の強みは、これまで培ってきたブランド力です。さらに、そのブランド力を活用して「見せる&魅せる」磁気治療器という、新たな市場を創造してきたことです。
医療機器としてのエビデンス -①独自の技術-
小松:当社の強みの3つの要素について詳しくご説明します。1つ目は、医療機器としての認証を取得しており、効果・効能が認められていることです。
当社の製品は「N極S極交互配列」を行うことにより、磁力が点ではなく面での効果を発揮し、より強く広範囲に広がるという特徴があります。この「N極S極交互配列」の製法は当社の特許であり、他社の磁気治療器と大きく異なる部分です。
ここで簡単な実験をしたいと思います。画面を見ていただいて、わかりますでしょうか? このようにボックスの表面にN極とS極を交互に配列します。ボックスの中には砂鉄が入っています。
今これはN極S極になっていますが、他社製品は大量生産で磁石を先に入れて後から磁力を入れるため、すべて同極を向いています。そのため、砂鉄が横同士でつながってないことがわかると思います。これでは点で磁力が効いていますが、面では効いていません。
冒頭でお話ししたとおり、コラントッテ設立のきっかけは父親のために2枚のサポーターを作ったことです。手作りのサポーターでN極S極と交互に配列しました。この「N極S極交互配列」により、点ではなく面で砂鉄をつなげることが大きな特徴で、日本のみならず世界でも特許を取っています。
もう1つおもしろい実験をします。この2つは同じ磁力を持っていますが、一方はすべてN極の配列、もう一方はN極S極の交互配列です。これは手品ではありませんが、鉄の棒でN極だけのボックスを持ち上げても、まったく上がってきません。これは、磁力が点でしか働いていないことを表しています。
しかし、N極S極の交互配列のボックスを、同様に鉄の棒で持ち上げてみますと、しっかり持ち上がります。同程度の磁力を持つにもかかわらず、くっつき方がまったく違うことが「N極S極交互配列」の特徴です。よく見えたでしょうか?
坂本:はい。よくわかりました。
医療機器としてのエビデンス -②医療機器としての認証・特許-
小松:また、医療機器としての認証は日本だけでなく、韓国やヨーロッパでも取得しており、海外でも認められています。特許については、当社の主力製品であるTAOシリーズで使用している紐状磁石をはじめ、製造方法などでも保持しています。国内だけでなく、イギリス、フランス、ドイツなど海外でも特許を取得しています。
デザイン性にこだわった商品
小松:2つ目は、他社にはない豊富なデザインやカラーを取り揃え、熟練職人によるこだわりを持った高付加価値商品をラインナップしていることです。
多彩な競技 契約アスリート
小松:3つ目は、多くの競技で活用しているアスリートの支持があることです。先ほどお話しした医療機器としての確かな効果・効能や、優れたデザイン性、品質から、多くのアスリートに信頼されご愛用いただいています。
ここでバレーボールの日本代表の石川祐希選手の動画をご覧ください。
石川祐希選手がイタリアから帰国したタイミングの5月18日に、スペシャルトークショーを東京で行いました。こちらのイベントはおかげさまで大好評でした。
主要業績項目
井阪義昭氏(以下、井坂):私からは、2023年9月期の業績予想をご説明します。
2023年9月期の業績予想について、売上高は前年同期比11.5パーセント増の52億円を見込んでいます。営業利益は前年同期比10.4パーセント増の10億5,000万円、経常利益は前年同期比9.9パーセント増の10億5,000万円、最終利益は前年同期比11.4パーセント増の6億8,000万円を見込んでいます。
売上高、営業利益ともに2桁の増収増益を見込んでおり、利益率については、営業利益、経常利益ともに20パーセント以上の利益率を達成したいと考えています。
業績予想に対する2Q累計進捗率
井坂:スライドには、第2四半期までの進捗について記載しています。第2四半期の実績は、売上高が27億5,900万円、営業利益が6億6,000万円、経常利益が6億6,900万円、最終利益が4億4,500万円となりました。
進捗率は売上高が53.1パーセント、営業利益以下はすべて60パーセントを超えており、順調に推移していると考えています。
売上高、利益とも過去最高を更新、6期連続の過去最高益に
井坂:スライドのグラフは、売上高と営業利益の過去5年間の実績および2023年9月期の見込みを記載しています。ご覧のように売上高、利益ともに着実に成長を続けています。
売上高と営業利益は過去最高を更新する見込みで、営業利益は6期連続で過去最高益更新となる見込みです。今後も最高益を更新し続けられるように、全社一丸となって取り組んでいきたいと思っていますので、よろしくお願いします。業績の報告は以上となります。
成長戦略 基本方針
1つ目は「顧客ニーズに、よりフィットしたブランド・新製品の拡充」、2つ目は「企業&製品に対する認知度&信頼性の向上」、3つ目は「市場の変化に対応したEC販売のさらなる加速」、4つ目は「事業成長を支える生産体制の強化」、5つ目は「さらなる成長につなげるCSS事業の進化」です。
この5つを通じて潜在顧客にアプローチすることで、新たな顧客層を獲得していきたいと考えています。
Ⅰ.顧客ニーズに、よりフィットした ブランド・新製品の拡充
小松:1つ目の、顧客ニーズに、よりフィットしたブランド・新製品の拡充という取り組みの1つとして、先ほどもお話しした「Colantotte RESNO」のブランド戦略変更が挙げられます。より「睡眠」にフォーカスした製品をラインナップすることで、今日の疲れを取り、明日への活力となるような質の良い睡眠をサポートする商品展開を検討しています。
ここで、当社と契約している俳優の橋本じゅんさんが「コラントッテRESNO」のリカバリーウェアを着用した動画がありますので、ご覧いただきたいと思います。
私も橋本じゅんさんにお会いしましたが、当社の最初ぐらいの商品から使っていただいていたようで、お会いした時に「あ、社長はこういう人なんですね」と非常に感動してくれました。本当に「コラントッテ」を愛してくださっているお一人です。
Ⅱ.企業&製品に対する 認知度&信頼性の向上
小松:企業の製品に対する認知度、信頼性の向上については、外部と連携しながら客観的な検証を実施しており、その結果を当社ホームページ上で公開しています。現在公開しているのは、当社の「磁気付きリカバリーウェア」の睡眠効果における検証結果です。詳しくは、ぜひホームページをご覧いただきたいと思います。
重視する経営指標
小松:当社が重視する経営指標として、売上高成長率と売上高営業利益率の2つを挙げています。売上高については、現状の当社事業規模と潜在的市場規模から、依然高い成長余力があると考えており、企業経営の原点であるトップラインの継続的な成長を目指しています。
本日お話しした当社の強みや特徴により、足元では製造業として比較的高い営業利益率を実現しています。今後もさらなる企業努力を重ね、引き続き高収益力のキープに取り組んでいきます。
株主還元施策(配当)
小松:株主還元の方針についてご説明します。今後の株主還元についてですが、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を目指していきたいと考えています。配当性向については、将来的に30パーセントを目標に検討を続けていきます。
株主還元施策(株主優待)
小松:2022年9月期より、株主優待を導入しました。株主さまからの要望が多かったことから、当社商品の効果を株主さまにもぜひ体感していただきたいという思いで、保有株式数に応じてクーポンを発行しました。全株主数の約6割の方にクーポンを利用していただき、ご好評をいただきました。2023年9月期においても、引き続き株主優待を実施することを検討しています。
以上をもちまして、投資家さま向け説明会を終了します。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:商品ターゲットについて
増井麻里子氏(以下、増井):御社の製品は、最初の頃はアスリートをターゲットにされていたのでしょうか?
小松:アスリートをターゲットにしていたわけではまったくなく、一般の人をターゲットにしていました。ゴルフ業界から入り、ゴルフ選手の方はテレビに映ることもありますので、露出として使わせていただきました。
現在、当社では団体を含めて66件の契約を結んでいますが、ほぼすべて相手方からの依頼で契約しています。我々は医療機器の契約を海外も含めて取っていますが、安心・安全であることや、エビデンスがしっかりしていることで、相手方の「使って良かった」というご意見から契約に至っていることがほぼすべてであり、このことは自慢に思っています。
質疑応答:外国人選手との契約について
増井:外国人の選手は使っていますか?
小松:今は契約していませんが、最初の頃ですと、ゴルフに詳しい方であればご存じであろう、ブッチ・ハーモンさんとデビッド・レッドベターさんの両巨頭から同時契約をいただきました。また、ローリー・マキロイさん、リッキー・ファウラーさんというお二人も、2ヶ月ずれで、向こうからお申し込みいただき、契約を結びました。
今はコロナ禍によって海外の方からの契約は途絶えていますが、昔はあらゆるスポーツで12人か13人いたと思います。
質疑応答:海外でのシェアについて
坂本:素朴な質問として、御社の商品は海外でも販売しているのでしょうか? 売上に対する海外のシェアの数値があったら教えていただきたいです。
小松:コロナ禍により、この3年ほどは完全に止まってしまいました。現在、イギリスに代理店があってヨーロッパでも販売していますし、マレーシアやシンガポールでも販売しています。台湾や韓国にも代理店があります。アメリカにも代理店はありますが、今はコロナ禍のため完全に止まっています。中国は、ECだけで販売している状態です。
質疑応答:外国人観光客のお土産需要について
坂本:外国人観光客のお土産需要はあるのでしょうか? 他社製品では、昔から磁気テープのようなものがけっこう売れていると思います。御社の製品は、磁気テープがかなり使いやすくなっているものだと思いますし、デザイン性も高いため、日本に来た外国人がお土産として買って帰る需要があると思いますが、いかがでしょうか?
小松:新型コロナウイルス流行前は、非常に大きな需要がありました。我々がお土産として展開している商品は、値段が900円、2,000円手前のものから20,000円を超えるものまで幅広くありますので、まとめ買いで非常に売れていました。観光バスの中で添乗員の方が販売してくれている企業もあり、そのような時は高額商品が売れていました。
しばらくは新型コロナウイルスの影響で止まっていましたが、今後また復活しますので、需要も元に戻ると思っています。
質疑応答:販売管理費の中の広告宣伝費の割合について
坂本:販売管理費の中の広告宣伝費の割合について、ざっくりでかまいませんので教えていただきたいです。
小松:CMやオリンピックなどを合わせたプロモーションの影響により、やや変動しますが、前期実績で10.7パーセントとなります。
質疑応答:今後の営業利益率の成長イメージについて
坂本:現在の営業利益率は約20パーセントだとうかがいました。広告宣伝費は約10パーセントとのことですので、そこを削ったとしても利益の伸びには限界があると思います。今後、その部分を改善して営業利益率を伸ばしていくイメージはありますか? それとも、売上を伸ばすと同時に利益を増やしていく考え方なのでしょうか?
小松:売上高についても、引き続き2桁近くアップしていくことを目標にしていきたいと思っていますので、並行して利益も伸びていくと思います。
質疑応答:「100年企業を目指す」という目標について
坂本:「100年企業を目指されるということですが、個人投資家として長期保有しても大丈夫ということでよろしいでしょうか?」というご質問です。
小松:実は私は、上場する前から「100年企業にする」という目標を発表していました。なぜかというと、「磁石を使っている商品ばかり作っていて、社員が不安じゃないだろうか」と感じた時があるからです。その時に、社員に向けて「ルイ・ヴィトン」という例を出して語りました。
「ルイ・ヴィトン」という大手ブランドは、160年以上続いています。初代の「ルイ・ヴィトン」で一生懸命かばん作りをされた方がいましたが、豪華客船が沈没した時にかばんが1つプカプカと浮いていて、開けたら服が着られたという話があります。良いかばんは水の浸透が少なかったのでしょう。それにより、ヨーロッパで偽物が流行ってしまいました。
その後、「ルイ・ヴィトン」の2代目の方がシカゴ万博を見に行った時に、ちょうど日本の家紋を見られたそうです。その頃の日本はまだ江戸時代でした。そこから着想を得て、モノグラムが散らばり、どこで切っても偽物防止になるようなデザインを作ったということです。
そのようなエピソードから「ちゃんとしたものを作る企業は続くんだ」と実感しました。例えば、我々は今、ネックレスを作る際に金属を使っていますが、金属アレルギーが非常に起きにくい、医療用メスなどを作るのに使う金属を使っています。
一生懸命に本物作りを追求しており、「100年続けよう」という話を上場前からずっとしています。変なメッキ加工もしていませんし、そのような強いこだわりを持ってモノづくりをしているというのが現状です。
質疑応答:今後の売上の主力について
坂本:リカバリーウェアやスリープテック関連の売上は、今後高めていくおつもりでしょうか? あくまでも主力は磁気ネックレスという認識なのかどうかを教えてください。
小松:磁気ネックレスは今後も安定して販売し続けていくと思います。ただし最近は、健康全般の分野において、「眠り」が話題になっています。
我々も今、先生方に依頼してデータを取っていますが、やはり磁石と眠りは非常に近いというか、大きな役割を果たすことがすでに明らかになっています。血行が良くなると眠りが深くなるなど、いろいろな研究データもあります。そのようなことに特化していくのは、磁石メーカーの先駆者、リーダーとしての務めだと思っています。
眠りと関係が深い部分に特化していけば、売上も自然に上がっていくと思いますし、健康寿命を伸ばすという点で社会貢献にも役立ちますので、そのあたりが伸びていってくれたらと思います。
質疑応答:より高価格帯の製品の販売予定について
坂本:御社は非常に良い製品を作っているとうかがいましたが、効能も当然あると思いますので、もう少しプレミアム戦略が取れるのではないかと私は思います。価格帯が20,000円台までということでしたが、将来的にさらに価格を引き上げた製品を作ることは考えていますか?
小松:そのようなものは、すでにほぼできあがってきています。「高価格で特化した効能を持つものを出してほしい」というお客さまからの要望も確実にありますので、いろいろな新しいシリーズが近いうちに続々と発売される予定です。
質疑応答:磁気ネックレスの買い替え需要について
増井:「磁気ネックレスは買い替え頻度が低い商品という認識がありますが、買い替え需要を促進するための対策はありますか?」というご質問をいただいています。
小松:我々のお客さまを見ていると、製品を何個も持っている方がほとんどです。商品のデザインは次々と変わっていきますので、1年くらい着けた頃に新しいデザインが出ると、やはり違うものが欲しくなるのだと思います。
例えば、7年ほど前から「宇野昌磨モデル」というネックレスを毎年出していますが、全部持っている方がいたり、すでに「来年はどんなのが出るんですか」とご質問が来たりしています。このように、だいたい1年ほどで飽きてくる方が多いため、買い替え需要についてはあまり心配していません。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:直近の第2四半期における海外売上比率を教えてください。
回答:期中での海外売上比率については開示していませんので、ご容赦いただきたく存じます。
<質問2>
質問:toC向けの商材を扱っているものの、今後の業績の伸長にはtoB向けの販路の拡大が必須だと思いますが、手応えはいかがでしょうか?
回答:販路拡大ということでは、いくつかの企業と商談が進んでいますので、開示できる状況になりましたら適時開示させていただきたいと存じます。
<質問3>
質問:外国人向け販売や各国で類似商品はありますか? 現地で医療機器認証のハードルが高くとも、訪日観光時への販売を目途にマーケティングを進めていかないのでしょうか?
回答:インバウンドでの販売については、コロナ禍前は非常に好調でした。最近、コロナ禍の収束も見え始め、インバウンドも上向きになりつつありますので、期待しています。
<質問4>
質問:第1四半期は良かったです。スポット売上が大きかったようですが、通期の上方修正の可能性はありますか?
回答:現時点では未定です。業績予想の修正が必要な場合は、速やかに開示します。
<質問5>
質問:営業利益率20パーセントを継続していくための、市場開拓・営業の行い方について、具体的に教えてください。
回答:直販比率(EC販売・直営店)の売上を上げることによって、今後も営業利益率20パーセント超を維持していきたいと考えています。
<質問6>
質問:第2四半期が昨年比で減収している理由を教えてください。また、第2四半期の営業利益率が大きく下がっている理由を教えてください。
回答:昨年度の第2四半期は、北京オリンピックが開催され、当社契約選手の活躍、またテレビCM等の効果もあり、売上を順調に伸ばすことができました。
今年度の第2四半期については、ワールド・ベースボール・クラシックが開催され、当社商品を着用する選手も活躍していましたが、昨年ほどの売上効果を得ることができませんでした。また、利益については、在庫評価の見直しを行ったことも影響していると考えています。
<質問7>
質問:海外での売上を拡大する戦略があれば教えてください。
回答:海外については、代理店への販売強化ならびに越境ECを強化するべく、取り組んでいます。
<質問8>
質問:介護や医療に展開していく予定はありますか?
回答:当社では、「健康寿命を延ばす」商品を幅広く取り扱っており、将来的には介護や医療に関わる商品の開発も検討を行っていきたいと考えています。
<質問9>
質問:中期経営計画など、売上などの展望が知りたいです。
回答:現時点では中期経営計画の開示を行っていませんので、ご容赦いただきたいと思います。
<質問10>
質問:国内の磁石一本足打法では、いずれ業績伸長は頭打ちとなります。サプリや健康&スポーツ関連の新規事業の立案もしくは磁石の海外展開を考えていますか? 海外展開であれば、ワークマンなどの廉価商品会社とコラボしてブランド価値を棄損するよりは、アクシージア社とコラボして、まずは中国、華僑圏に高級医療機器として越境ECをお願いします。
回答:磁気治療器以外の商品ブランドとして「Colantotte RESNO」を展開しており、こちらのプロモーションを含め、認知拡大に努めていきたいと考えています。また、海外展開につきましても、さまざまな企業との連携も考慮しながら、成長戦略を検討していきたいと考えています。
<質問11>
質問:スポーツやヘルスケア商品の横展開として、プロテインやサプリなどの販売は考えていますか? 一案として食物繊維入り&人工甘味料不使用で、可能なら、甘くて毎日飲むと飽きるのでオリゴ糖入りなどの甘さ控えめなプロテイン、健康寿命を延ばすためEPAやビタミンDなどのサプリ会社の買収などはいかがでしょうか? 好財務なので、ぜひ成長投資の加速をお願いします。
回答:サプリメントは現在販売を行っています。今後の商品展開については、頂戴したご意見を参考にさせていただき、商品開発担当と共有したいと思います。
<質問12>
質問:今後の成長戦略と展望について教えてください。
回答:今後の成長戦略方針として、次の5つを掲げています。
1つ目は「顧客ニーズに、よりフィットしたブランド・新製品の拡充」、2つ目は「企業&製品に対する認知度&信頼性の向上」、3つ目は「市場の変化に対応したEC販売のさらなる加速」、4つ目は「事業成長を支える生産体制の強化」、そして5つ目が「さらなる成長につなげるCSS事業の進化」となります。