6月15日に、2023年度分の最初の厚生年金と国民年金が支給されました。

3年ぶりの年金増額とあって、注目している方も多いでしょう。

今回の支給額は「夫婦で約44万9000円」というケースもあります。しかもこちらの金額は、厚生労働省によると「標準的な夫婦の目安金額」とのことです。

どんな夫婦であればこの金額が受け取れるのか、くわしく見ていきましょう。

1. 厚生年金と国民年金のしくみ

日本の年金制度は、図のように「厚生年金と国民年金」が2階建て構造となっています。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入対象:原則として日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度ごとに見直し)
  • 年金額:納付期間によって決定。2023年度の満額は月額6万6250円(67歳以下の場合)

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制
  • 年金額:加入期間や納付保険料により決定

厚生年金では、納めた保険料や加入期間で受給額が決まるため、そもそも個人間の差が激しいのが特徴です。

2. 「国民年金と厚生年金」2023年度はいくらに増額?

厚生労働省によると、2023年度の年金額の例は次のとおりとなります。

出所:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万6250円(1人分)※1
  • 厚生年金:22万4482円(夫婦2人分※2)

※1 2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万6050円(対前年度比+1234 円)
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

国民年金と厚生年金ともに、2022年度よりそれぞれ増額になっていることがわかります。