3. 年金「約44万9000円」が6月15日に支給されたのはどんな夫婦?
6月15日の年金支給日に、2人で合計「約44万9000円」を受け取れた夫婦がいます。
いったいどんな条件をクリアすれば可能なのでしょうか。
まず、6月15日に支給された年金は「2ヶ月分」である点に注目しましょう。
44万9000円 ÷ 2 = 22万4500円
これが月額の年金です。
67歳以下の人の標準的な夫婦の厚生年金額が22万4482円なので、モデル夫婦と同じ条件の方は、こちらの年金を受け取っていることがわかります。
もう一度、厚生労働省の資料にある「標準的な夫婦」の条件を確認しましょう。
- 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
引用:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
このように、厚生労働省が示す「標準的な夫婦」であれば、6月15日の年金支給日に2人で合計「約44万9000円」が支給されたようです。
ただし、年金からは税金や保険料が天引きされます。
額面が44万9000円であっても、実際に振り込まれる金額はもっと少なくなる点に注意しましょう。
実際の振込額は、6月に送付される年金振込通知書で確認できます。
あくまでも2ヶ月分の年金であるため、月額あたりにすると余裕のある水準とも言い切れません。
4. 年金を知って老後対策を
6月15日支給分から年金は増額となりましたが、物価上昇には負けるため「実質目減り」です。
一見シニアの年金額は高いように思えるかもしれませんが、「2ヶ月分の支払い」であることや、実際の受給額は人によって大きく違う点に注意が必要です。
まずは自分や夫婦の年金額について、ねんきん定期便やねんきんネットなどで確認するようにしましょう。
未納期間がある方や報酬額が低い方などは、見込額が想定以上に少ない可能性もあります。
老後の生活を考えたときに不足する金額があると感じた場合は、早急に対策を始めましょう。
老後対策といっても、できることは貯金を増やすだけではありません。
- 働き続ける
- 健康を維持する
- 老後資金の貯蓄をする
- 老後も資産運用を活用し、資産が減るスピードをゆるやかにする
- 厚生年金の加入期間を伸ばして年金額をあげる
- 不動産収入などの不労所得を得る
- iDeCoや個人年金保険などで独自の年金を作る
など、対策方法は多岐に渡ります。ただし、どれが自分にあっているかは、個々の状況によって異なるでしょう。
メリットやデメリットも含め、しっかり情報収集をしておきましょう。
参考資料
太田 彩子