3.【女性の年金収入】厚生年金「ひと月15万円超」は全体の9.3%!

では、同資料より本題の女性の年金月額に関するデータを見ていきます。

出所:厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 全体:14万3965円
  • 男子:16万3380円
  • 女子:10万4686円

※厚生年金の月額には、基礎年金(国民年金)の月額が含まれています。

【受給額分布】

  • 1万円未満:2万9276人
  • 1万円以上~2万円未満:6963人
  • 2万円以上~3万円未満:5万519人
  • 3万円以上~4万円未満:8万9784人
  • 4万円以上~5万円未満:7万9430人
  • 5万円以上~6万円未満:9万3183人
  • 6万円以上~7万円未満:23万7418人
  • 7万円以上~8万円未満:44万2558人
  • 8万円以上~9万円未満:68万666人
  • 9万円以上~10万円未満:85万1331人
  • 10万円以上~11万円未満:77万7047人
  • 11万円以上~12万円未満:59万523人
  • 12万円以上~13万円未満:41万5686人
  • 13万円以上~14万円未満:29万4029人
  • 14万円以上~15万円未満:21万3811人
  • 15万円以上~16万円未満:15万5836人
  • 16万円以上~17万円未満:11万2272人
  • 17万円以上~18万円未満:7万6925人
  • 18万円以上~19万円未満:5万2191人
  • 19万円以上~20万円未満:3万7091人
  • 20万円以上~21万円未満:2万4351人
  • 21万円以上~22万円未満:1万6322人
  • 22万円以上~23万円未満:1万444人
  • 23万円以上~24万円未満:6549人
  • 24万円以上~25万円未満:3719人
  • 25万円以上~26万円未満:2081人
  • 26万円以上~27万円未満:1047人
  • 27万円以上~28万円未満:488人
  • 28万円以上~29万円未満:196人
  • 29万円以上~30万円未満:135人
  • 30万円以上~:361人

女性の厚生年金受給額のボリュームゾーンは「9万円以上~10万円未満」です。男性の平均月額と比べると、6万円ほど低くなっています。国民年金に比べ、厚生年金は男女差が顕著に出ています。

また、ひと月15万円以上受け取る女性は全体の9.3%とごくわずかな割合です。

先述のとおり、厚生年金は「現役時代の給与」や「加入期間」が将来の受給額に反映されています。家庭の状況に応じて、「フルタイムから時短勤務」「正社員からパート」「会社員から専業主婦」など働き方を変えた場合は将来の年金額に影響し、受取金額がダウンすることも認識しておきたいですね。

今後の働き方を選択していく際に、将来の年金という観点を取り入れると良いかもしれません。

3. 将来の自分の見込み年金額の確認してみよう!

ここまで、年金受給額の分布について確認してきました。

平均額はあくまでも参考値として捉えて、自分の場合はどのぐらいになるのかを事前に把握しておくことが大切です。

とはいえ、実際に受け取る年金額は個人差があり、加入状況により平均金額とのギャップがあるかもしれません。

現時点で自分が将来どれくらいの老齢年金を見込めるか知りたい方は、「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」を使ってみるのがおすすめです。

自分ごととして老後の必要資金を求めるためにも、まずは自分の年金額を把握することから始めてみましょう。

4. 老後資金に困らないために、自分に合った対策を今から進めよう!

今回は女性の公的年金事情について詳しくみてきました。

少子高齢化が進むなか、自分たちが受け取る頃に現在の年金水準がこの先ずっと続くとは限りません。これまでのように、今後の社会保障が時代と共に変化していくことも想定されます。

実際の年金額をみて、年金収入だけでは心もとないという場合は、足りない部分を補うために長く働き給与収入を得ることや資産形成などの対策が必要です。

老後の必要資金は、一人ひとりの資産状況や家族構成、望んでいる暮らし方によって異なります。老後の資金準備の第一歩として、自身の年金額の確認と家計の見直しから取り組みましょう。

銀行の預貯金ではふえない時代、昨今の物価上昇を考えると、実質的な資産の目減りを意識したうえでインフレ対策を練っていきたいところです。

効率的な資産形成として、今あるお金や今後もらうお金にしっかりと働いてもらう資産運用を一部取り入れることも方法の一つです。ただし、資産運用は効率的な運用が期待できる反面、元本割れリスクなどの運用リスクを被るケースもあり得ます。

とはいえ、老後資金は早い時期にスタートするほど長期の準備期間が取れるため、リスク分散の観点からも、時間を味方につけて毎月少額でもコツコツと始めることが大切です。

参考資料

仲宗根 梨世