2022年7月に女性活躍推進法が改正され、大企業に男女の賃金格差の情報開示を義務付けました。

男女の賃金格差は世界共通の重要な課題です。内閣府・男女共同参画局「男女間賃金格差(我が国の現状)」によると、日本の男女間賃金格差は、男性の給与水準を100としたときに女性の給与水準は75.2となっています。これは、先進国諸外国と比較すると、日本は国際的に見ても格差の大きい国の一つに挙げられます。

女性の場合、出産や育児などを理由に働き方を大きく変えるケースも多いこともあり、「仕事」か「家庭」か、の選択を余儀なくされることもあるでしょう。そうした背景から、「女性の経済的自立」が問題視されています。

そこで今回は、いまのシニア女性に焦点をあて、公的年金をどれくらい受け取っているかを最新の資料で確認していきたいと思います。

1. 年金のしくみは「国民年金・厚生年金」の2階建て

まずは年金のしくみを確認しましょう。

日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の二つの年金制度で構成されており、「2階建て構造」などと言われています。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1階部分の「国民年金(老齢基礎年金)」は、国内に住む20歳から60歳までの方に加入義務があり、毎月の保険料は一律となっています。※1

また、国民年金の保険料や年金額には毎年度調整が入り、金額が変動します。賃金スライドや物価スライドをもとに改定率が定められ、その年の4月から適用されます。

2階部分の「厚生年金」は、国民年金に上乗せして、公務員や会社員などが加入する年金制度です。厚生年金の場合は、報酬比例制度となっており、給与額に応じた保険料を納めるため、将来もらえる年金額も、その給与額に基づいた金額になります。

※1…令和5年度(令和5年4月~令和6年3月まで)の国民年金の保険料は月額1万6520円。

2.【女性の年金収入】国民年金の平均月額&分布グラフ

まずは、1階部分にあたる、国民年金の平均受給額を確認します。

厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、年金受給額を詳しく見ていきます。

出所:厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

女性の国民年金平均月額:5万4346円

【受給額分布】

  • ~1万円未満:5万7852人
  • 1万円~2万円未満:22万7254人
  • 2万円~3万円未満:68万9150人
  • 3万円~4万円未満:208万643人
  • 4万円~5万円未満:329万5457人
  • 5万円~6万円未満:470万2003人
  • 6万円~7万円未満:643万8667人
  • 7万円以上:145万4116人

女性の国民年金の平均月額は5万4346円。

平均月額、ボリュームゾーンともに大きな男女差はありません。 年金収入が6万円弱と考えると、生活費としては不十分と感じる方が多いのではないしょうか。

次項では、2階部分の厚生年金受給額事情を詳しく見ていきましょう。