整備が進む「シニアの就労制度」

「高年齢者雇用安定法」改正(2021年4月)のポイントを整理!

出所:厚生労働省「高年齢者雇用安定法 改正の概要」(令和3年4月1日施行)パンフレット

少子高齢化で労働力不足の時代ですから、高齢者でも仕事を探せば見つかるはずです。シニアの就業を後押しする制度の整備も進んでいます。

定年まで勤め上げた会社で再雇用をしてもらえれば、楽ですね。ただ、昔の部下が上司になったりして、快適に過ごせない場合もあるようです。そんなときは、他の選択肢も検討できるとよいですね。

サラリーマンの出世競争は、途中で結果が見えてきます。最後まで争っている人はともかくとして、先が見えた人は早めに老後の仕事について考え、準備しておきたいものです。

副業が許されるならば、そのまま転職することを念頭に副業先を探す、という選択肢も検討してみましょう。

起業も一つの選択肢となり得ますが、老後資金をつぎ込んでしまうと失敗した場合に悲惨な末路になりかねません。元手がかからないような仕事を考える必要がありそうです。

老後も働き続けることは、資金面のみならず、健康面にも良い影響を与えてくれるでしょう。また、他人との接点を持ち続けることで脳の老化ボケの防止にもなるでしょう。

そして「誰かに必要とされている」という感覚も、重要だと筆者は考えます。

専業主婦も子育てが一段落したら「働いて稼ごう」

専業主婦(専業主夫を含む、以下同様)も、子育てが一段落したら働きましょう。

できれば厚生年金に加入するような働き方が良いですね。厚生年金保険料を支払う必要が出てきますが、老後に厚生年金が受け取れるので、安心です。

再確認したい「厚生年金に加入して働くメリット」

出所:日本年金機構「パート・アルバイトのみなさまへ~あなたの年金が変わる~大切なお知らせ~」

特に、サラリーマンの専業主婦がパートで年間130万円以上稼ぐ場合には、厚生年金に加入できる働き方を強くお薦めします。年金の話は複雑なので、詳しくは別の機会に詳述しますが、「大企業で毎週20時間以上」もしくは「中小企業で毎週30時間以上」働く、といったイメージです。

年収の壁を意識して働く時間を短めにしているパートの人も多いようですが、思い切って働いて社会保険料や税金など等々を払ってもおつりが来るくらい大いに稼いでしまえば良いのです。

専業主婦が稼ぐメリットは、収入アップ以外にもたくさん!

専業主婦が働いて稼ぐことで、収入が増える以外のメリットも得られます。社会との繋がりが持てる、という点もありますが、離婚したり、大黒柱のサラリーマンがリストラされたりした場合への備えという意味でも大いに安心でしょう。

ちなみに、夫婦ともに正社員である場合、一方が子育てのために離職するというケースは少なくありませんね。しかし、一度正社員をやめてしまうと子育て一段落後に正社員に戻るのは難しいでしょうから、無理をしても正社員を続ける、という事も検討してみましょう。

短期的にはベビーシッターや家事代行などに支払う金額が膨らんだとしても、生涯所得を考えれば働き続けることに大きなメリットがあるからです。

本稿は、以上です。なお、本稿は厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。

参考資料

塚崎 公義