株式を買う際、配当や優待だけでなく、気になるのが「株価の変動」でしょう。

配当や優待を受けとっていても、株価の変動は社会情勢や企業業績などによって時に大きく動き、リターンに影響を与えるもの。

株式投資において、「株価の値上がり・値下がり」は見逃せない要因です。

今回は積水ハウス(1928)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。

1. 積水ハウス(1928)の配当金のリターンはいくらか

積水ハウスの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年1月期の中間配当と2023年1月期期末配当」の計2回を受け取ることができます。

出所:積水ハウス株式会社「2023年1月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。

今回の検証では、以下のような想定となります。

  • 株式の取得日:2022年6月14日 
  • 株式の取得価格:2334円(取得日の終値)
  • 2023年1月期・中間配当:52円 
  • 2023年1月期・期末配当:58円
  • 100株ベースの配当金のリターン:1万1000円

それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。

2. 積水ハウスの株主優待のリターンはいくらか

積水ハウスは決算期(2023年1月期)現在、1000株以上保有する方に向けて1名当たり5kgの「魚沼産コシヒカリ(新米)」を提供しています。

出所:積水ハウス株式会社「株主優待」

そのため、100株保有時の優待のリターンは0円です。

3.  積水ハウスの株式投資のトータル・リターンはいくらか

以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。

次に、株価変動によるリターンを計算します。

  • 株式の取得日:2022年6月14日 
  • 株式の取得価格:2334円(取得日の終値)
  • 取得から1年後の日付:2023年6月14日
  • 1年後の株価の終値:2729円
  • 100株ベースの株価変動によるリターン:+3万9500円

そして最後に、トータル・リターンを計算します。

  • 配当金のリターン:1万1000円
  • 株主優待のリターン:0円
  • 株価変動によるリターン:+3万9500円
  • トータル・リターン(金額ベース):+5万500円
  • トータル・リターン(%ベース):+21.6%

トータル・リターンは金額ベースで+5万500円でした。

4. 積水ハウスの配当推移を確認

積水ハウスの株式の年間リターンは+21.6%でした。

最後に積水ハウスの配当金の推移を確認しましょう。

出所:積水ハウス株式会社「株主還元」

配当金・優待・株価とそれぞれの要素を確認すると、どのような影響が株式投資のリターンにあらわれているかわかりやすいでしょう。

今回確認した通り、株式投資の際は配当や優待だけでなく、株価水準についてもきちんと確認してみてください。

参考資料

宮野 茉莉子