一方、最終的に転職に成功していても、活動中に厳しさを感じた人はいるようです。最も多く聞かれたのはやはり「年齢と求めるキャリアが企業からの求人と合わない」という回答。
一部上場企業で広報やIRを経験し、その後インターネットコンテンツの制作に転じたBさん(転職当時41歳)は「40代以上の求人は、高年収になればなるほど『部長候補』『将来の幹部候補』などとマネジメント経験を求めるものが多くなります。私は管理職経験そのものが長いわけではないので、評価されるのか不安でした。最終的に制作物の実績や工程管理の経験などを評価してもらえてよい転職ができましたが、やはりこの年齢になるとスキルや実績が重視される一方で、ポテンシャルで採用してもらうのは難しいと感じます」と話します。
会社側の求める人材像に合致しているかどうかは、どの年齢の転職においても重要視されることです。ただ、35歳以上の転職では、それをスキルと実績をもってより端的に説明できることが求められるのかもしれません。
35歳以上の転職、成功させるには何が必要だと感じた?
では、実際に転職した人は、35歳を超えての転職を成功させるために何が必要だと感じたのでしょうか。
「一人でも働けるように自分を磨く」(転職当時36歳・営業・国内IT→外資系IT)、「転職ありきではなく、転職によるメリットとデメリットを十分に考えてから行動する」(転職当時36歳・事務・金融機関→地方公務員)、「実績と経験。あとは語学」(転職当時48歳・マーケティング・国内IT→外資系IT)など、さまざまな意見が聞かれました。
総合電機メーカーからBtoBの製造業に転職したCさん(転職当時44歳)は、「昔に比べると日本企業の転職に対する認識も変わったと思いますが、年齢や経験年数にふさわしい専門力を有しているか、その専門力を裏付ける結果を残してきたかといった点は、年齢を重ねるほど、高年収になるほど求められますよね。自身の能力とアウトプットの両面を客観的に見ながら高めていくことが大切ではないでしょうか」と話してくれました。
まとめ
いかがでしたか? 35歳以上の転職には年齢に応じたスキルや実績がより求められると、実際に転職に成功した人は感じているようです。特に高年収を求めれば求めるほど、その傾向は強くなるといえるのではないでしょうか。考えすぎてもチャンスを逃してしまいそうですが、人生の転機になることは間違いありませんから、悔いのない選択ができるといいですね。
LIMO編集部