今年3月に公表されたこども政策担当大臣「こども・子育て政策の強化について(試案)」では児童手当の拡充案について触れられており、その中では支給を高校生までに延長することが盛り込まれています。
6月の「経済財政運営と改革の基本方針 2023」(「骨太の方針 2023」)に向けて、児童手当の具体的な内容が検討されています。
では、児童手当が高校生まで支給された場合、総額でいくらの手当を受け取れるのでしょうか。
本記事では、児童手当が高校生まで支給された場合の総支給額と生まれ月による支給額の差を解説します。所得制限の撤廃についても紹介するので、参考にしてみてください。
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【児童手当】支給対象が「中学生」から「高校生」までに延長か
政府は、児童手当の支給対象を高校生までに延長することを検討しています。
まずは、現状の児童手当について確認しましょう。内閣府「児童手当制度のご案内」によると、児童手当の支給額は以下のとおりです。
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出所:内閣府「児童手当制度のご案内」
児童手当の月額
児童の年齢 児童手当の額(一人あたり月額)
- 3歳未満 一律1万5000円
- 3歳以上小学校修了前 1万円(第3子以降は1万5000円)
- 中学生 一律1万円
現状の児童手当は、中学生まで子どもの年齢に応じた金額が支払われる仕組みです。ただし、子どもが中学を卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)となると児童手当はなくなります。
今回、政府は支給対象を高校生までへの延長で検討しています。そのため、児童手当の支給機関の変更が実現すれば、月1万円と仮定すると総額で36万円(月1万円×12カ月×3年間)児童手当の支給額が増えることになります。ただし、実際には生まれ月により個人差があります。
児童手当「生まれ月」による差額はいくらか
実は、児童手当は子どもの生まれ月によって支給総額が変わります。
今回は児童手当の支給対象が高校生まで(支給額は月1万円)に延長となった場合を想定して、誕日月ごとの支給総額を見てみましょう。
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出所:内閣府「児童手当制度のご案内」を基に筆者作成
生まれ月による児童手当の支給総額(第一子・第二子)
誕生月 総額
- 4月 244万5000円
- 5月 243万5000円
- 6月 242万5000円
- 7月 241万5000円
- 8月 240万5000円
- 9月 239万5000円
- 10月 238万5000円
- 11月 237万5000円
- 12月 236万5000円
- 1月 235万5000円
- 2月 234万5000円
- 3月 233万5000円
上記の試算では、4月生まれと3月生まれの支給総額の差は11万円です。生まれた月が違うだけで、11万円ほども支給総額に差があることに驚く人もいるかもしれません。
また、申請が遅れると、原則、遅れた月分の手当を受けられなくなりますので、ご注意ください。
児童手当の所得制限も撤廃が検討へ
政府は、児童手当の支給対象期間の延長に加えて、所得制限の撤廃も検討しています。現在の児童手当は、親の年収や所得が一定を超えると支給額が減額となったり、支給が停止されたりする仕組みです。
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出所:内閣府「児童手当制度のご案内」
たとえば、子ども1人と妻を扶養している夫の目安年収が約917万8000円を超えると、児童手当の支給額は特例給付で月5000円に減額となります。また、年収が約1162万円を超えると、支給が停止される仕組みです。
支給額が減額となったり停止されたりする年収や所得の水準は、扶養する家族が多いほど高くなります。子ども4人と妻を扶養する夫は、夫の年収が約1040万8000円を超えると、児童手当の支給額は月5000円に減額となります。また、支給が停止される年収の水準は約1276万円です。
この所得や年収による支給額の調整により、今までは年収や所得が高い親の世帯は児童手当を受け取れませんでした。ただし、児童手当の所得制限が撤廃されれば、年収や所得に関わらず児童手当を受け取ることが可能です。
児童手当の拡充の動向確認を
児童手当の支給期間の延長や所得制限の撤廃が実現すれば、子育て世帯の家計は助かるでしょう。
一方で、児童手当の拡充の目的は「少子化対策」です。
今後の児童手当の動向を見ながら、少子化対策に繋がっているのかについても確認する必要があるでしょう。
参考資料
苛原 寛
