帝国データバンクによると、2023年5月の食品値上げは800品目を超え、6月も3000品目の値上げが予定されています。今年の夏も引き続き値上げの夏となる見込みです。

相次ぐ物価上昇の中、住民税非課税世帯等への「3万円給付金」がいつもらえるのか気になっている方もいるでしょう。

3万円給付金は低所得世帯の経済状況をサポートするために支給されるもので、正式名称を「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」といいます。

政府が3万円の給付金の支給を決定してから、各自治体では準備を行ってきましたが、5月に入り申請手続きを開始した自治体も出てきています。

この記事では、3万円給付金の申請手順や年収などの受給要件を解説していきます。

1. 【横浜市】住民税非課税世帯等への「3万円給付金」の手続き3パターン

3万円給付金は、横浜市や福島市、帯広市などいくつかの自治体ですでに申請手続きが開始されています(2023年5月25日現在)。

どのような手順で申請を行うのかは自治体により異なりますが、一般的な流れとして横浜市を例に解説します。

1.1 3万円給付金1.2022年に5万円を受給した世帯は手続き不要

令和4年度に緊急支援給付金として5万円を世帯主の口座で受給した世帯では、申請手続きは必要ありません。後日送付される「支給のお知らせ」に詳細が記載されているので確認しましょう。

1.2 3万円給付金2.「確認書」受け取り後、手続きが必要なケース

以下の世帯では、順次送付される「確認書」を受け取った後、必要事項を記入のうえ必要書類を添付し返信用封筒で返送します。

  • 2022年度に緊急支援給付金(5万円)を世帯主の口座以外で受給した世帯
  • 2022年度に緊急支援給付金(5万円)を受給したが、結婚等により姓が変更になった世帯
  • 2022度に緊急支援給付金(5万円)を受給しなかった世帯で、世帯全員が令和5年1月1日以前から当自治体に住民登録がある世帯

1.3 3万円給付金3.自分で申請書を入手し手続きが必要なケース

以下の世帯では、自治体の公式サイトや市区町村役所等で自分で申請書を入手し、必要事項を記入のうえ必要書類を貼付して郵送します。

  • 世帯の中に令和5年1月2日~6月1日に他の自治体から転入した方がいる世帯
  • 令和5年度において非課税相当であっても、市民税・県民税の申告を行っていない方がいる世帯
  • 令和5年度住民税課税世帯だったが、令和5年6月1日までに離婚や死亡などで被扶養者だけが残った世帯
  • 支給条件を満たしているが自治体から「支給のお知らせ」や「確認書」が届かない世帯

なお、ここで紹介した申請手続き方法は横浜市を参考にしたものなので、実際の手続き方法についてはお住いの自治体の公式サイトなどで確認してください。

2. 「3万円給付金の対象世帯」自治体ごとの差は?

3万円給付金はすべての世帯が受給できるわけではなく、一定の条件を満たした世帯のみが対象です。3万円給付金が支給対象となる世帯について、横浜市と福島市を例に見ていきましょう。

2.1 3万円給付金の対象世帯1.【横浜市の場合】

以下の2つの条件を満たす世帯が対象。

  • 令和5年6月1日時点で当該自治体に住民登録があること
  • 世帯全員の令和5年度住民税均等割が非課税であること

2.2 3万円給付金の対象世帯2.【福島市の場合】

2023年4月1日時点で福島市に住民票があり、次のいずれかを満たす世帯が対象。

  • 2022年度の住民税非課税世帯で「価格高騰緊急支援給付金(5万円)」を受給した世帯
  • 2023年度の住民税非課税世帯で上記5万円を受給していない世帯
  • 2023年1月以降に家計が急変し非課税と同程度となった世帯

ここでは横浜市と福島市を例にとりましたが、受給できる条件は一般的に、当該自治体に住民票があることと住民税非課税世帯であることが条件となっています。

ただ自治体による違いがみられますので、お住まいの自治体で確認をしましょう。

3. 「住民税非課税世帯」の年収はいくら?

ここで、住民税が非課税になるのはどのような世帯なのかについて確認しておきましょう。自治体によって異なりますが、東京都23区を参考にした、住民税が非課税になる方は以下のような世帯です。

出所:東京都主税局「個人住民税」

  • 生活保護法による生活扶助を受けている(その年の1月1日現在)
  • 障害者・未成年者・ひとり親・寡婦(夫)で、前年の合計所得が135万円以下(給与収入なら204万4千円未満)
  • 前年の合計所得が下記の一定所得以下の人。
  1. 同一生計の被扶養者がいる場合:35万円×(本人+被扶養者の人数)+31万円
  2. 同一生計の被扶養者がいない場合(単身者):45万円以下

具体的な収入でみると、以下に挙げる収入よりも少ない人(合計所得が45万円以下)が該当します。

  • アルバイトやパート収入が100万円以下
  • 65歳以上で年金受給のみの場合、年金収入が155万円以下
  • 65歳未満で年金受給のみの場合、年金収入が105万円以下
  • 不動産収入等所得がある場合、合計所得が45万円以下

住民税非課税世帯の場合、世帯の全員が住民税の所得割・均等割ともに非課税で、はじめて「住民税非課税世帯」となります。

住民税が非課税になる基準も自治体により異なりますので、お住まいの自治体で確認しましょう。

4. まとめにかえて

2023年度の住民税非課税世帯向け「3万円給付金」は、いくつかの自治体ですでに申請手続きが始まっています。お住まいの地域の開始状況は自治体の公式サイトなどで確認しましょう。

3万円の給付金は、年収が一定金額以下の住民税非課税世帯が対象となっており、さらに自治体により受給要件が決められています。

ご自身が受給条件に該当するかどうかは公式サイトなどで確認するほか、市区町村役所の窓口などで相談することもできます。

参考資料

木内 菜穂子