4.【6月支給分から】厚生年金と国民年金はいくらに増額?
2023年度より、国民年金と厚生年金は3年ぶりの増額となります。
どれほど上がるのか、厚生労働省の発表から見ていきましょう。
- 国民年金受給額(67歳以下):月額6万6250円
- 国民年金受給額(68歳以上):月額6万6050円
- 一般的な夫婦の年金受給額 :月額22万4482円
国民年金に関しては1434円(68歳以上は1234円)の増額です。
また夫婦2人分の年金目安額は、昨年の21万9593円より4889円も増えます。
ただし、ここで紹介されている標準的な年金額は、「平均月収約43万9000円で40年間勤務した夫(妻)と会社員経験のない専業主婦(夫)」を想定されているため、すべての方にあてはまるわけではありません。
また、増額率は2.2%(68歳以上は1.9%)となりますが、実際の物価上昇率は2.5%です。
電気代や食料品などの値上げを肌で感じている方にとって、この増額率では満足いかない方も多いでしょう。
年金の増額率が物価上昇率に追いついていないため、実質には目減りとされているのです。
3年ぶりのプラス改定とはいえ、やはり年金事情は年々厳しくなっているのですね。
5. 年金事情を知った上で老後計画を考える
70歳~89歳の公的年金の支給額について、1歳刻みで見ていきました。
全体の平均月額は国民年金が5万6368円、厚生年金が14万3965円。特に厚生年金の場合、年齢が若いほど少ない傾向にあります。
2023年度の年金は3年ぶりに引き上げとなりましたが、実質は目減りという現状も。
こうした年金事情を知った上で、適切な老後の備えが必要になるでしょう。
同じ「老後の備え」といっても、低金利の時代に”預貯金”だけで準備するのは難しいかもしれません。
せっかく貯めたお金も、老後にはその価値が減少してしまうリスクがあるからです。
何割かを資産運用に分散するのもひとつでしょう。
老後も運用を続けることで、資産が減るスピードを緩やかにすることもできます
まずは退職金の有無や年金見込額を知り、老後資金の不足額を把握しましょう。
そのうえで、あらゆる選択肢を視野に入れ、自分だけの老後資金の作り方を計画していきたいですね。
参考資料
太田 彩子