近年ではラーメンの「大勝軒」が有名です。蓬莱とは逆に、大勝軒にのれん分けの店舗が多い話は関西ではそれほど知られていません。一方、関西には「餃子の王将」と「大阪王将」の例もあります。大阪王将は餃子の王将からのれん分けで独立した会社です。

ガチガチの契約関係に基づくFCとは異なり、のれん分けは店の主人と奉公人の人間関係に基づくゆるい制度とも言え、商号の利用等に厳密なルールはありません。

難波で食べ比べはいかが?

頑なに関西地域にこだわりながらも、今やその名が海外にも知られる551蓬莱。そのルーツは難波の豚まんの店頭小売の店です。そして、難波で蓬莱ブランドを利用している豚まん店が2軒並ぶ姿は、チェーン店で画一化された外食店舗を見慣れている目には奇妙に映る光景かもしれません。

しかしそこには、人間関係をベースにしたのれん分けの名残や古き良き時代の商店経営を感じることもできます。もし大阪・難波を訪れる機会があれば、551蓬莱と蓬莱本館が隣接する姿をご覧になり、豚まんの食べ比べをされてはいかがでしょうか。絶好の大阪の土産話になりますよ。

石井 僚一