2023年5月30日に発表された、株式会社フェリシモ2023年2月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社フェリシモ 取締役 経営企画室長 宮本孝一 氏

会社概要

宮本孝一氏:みなさま、こんにちは。株式会社フェリシモ、経営企画室長の宮本でございます。本日は、当社の会社概要、2023年2月期の決算概要および業績予想、今後の取り組みについてご説明させていただきます。

まず、会社概要についてご説明します。

当社は1965年5月に設立し、今年で59年目を迎えます。

経営理念「しあわせ社会学の確立と実践」のもとで、「ともにしあわせになるしあわせ」をコアバリューとした事業を通じて、永続的なしあわせ社会を創造することを目指しています。誰もがしあわせの創り手となり、贈り手となれる、誰もがしあわせを受け取る人になれる社会が私たちの目指すしあわせな社会の姿です。当社は、事業性、独創性、社会性の3つが重なり合うところを事業領域と定め、特定の業種・業態に制約を設けず、「しあわせをデザインする会社」として事業を展開していきたいと考えています。

事業の紹介

当社は、中核事業として日本国内、海外に向けて服飾・服飾雑貨(衣料品、身の回り品)、生活関連品(住宅用品、生活用品、美容健康関連、手芸・余暇関連、食品)等をカタログ、インターネットなどを通じて通信販売事業を行っています。

当社の通信販売は定期的、継続的な購入スタイルを事業コンセプトとしており、販売は主として「フェリシモ定期便」と呼ばれる商品を毎月1回お届けしていく当社独自の仕組みで行っています。また、フェリシモ定期便によって実現していく暮らしの夢やスタイルを伝える表現と編集に力を入れたカタログを商品と一緒にお届けし、単に販売商品を案内するだけではない情報価値を顧客に毎月提供しています。インターネットでは商品の販売、お届け状況や履歴等の確認、支払いなどのサービスを提供、注文受け付けから問い合わせ対応、情報処理、商品管理、注文品発送までの業務についても、自社の受注・物流センターで集約して行っています。

そのほか、当社の世界観を直接体験する飲食業、店舗、ミュージアムなどの運営、ビジネスパートナーに向けては物流・EC支援事業や出品・出稿型の販売プラットフォーム開放事業を展開しています。

連結業績

次に2023年2月期の決算概要の経営成績についてご説明します。

中核事業である定期便事業については、顧客基盤の強化を重点目標としてさまざまなマーケティング施策を実施した結果、新規顧客の獲得数は計画を上回りましたが、2022年春先が寒冷であったため春物ファッション商品の受注に影響が出たことや、同年3月下旬に発生した中国・上海市のロックダウンに伴う商品調達の遅れの影響などにより既存顧客の購入頻度が低下したことから、年間のべ顧客数が計画を下回りました。加えて、ビジネスモデルの転換を進めていた連結子会社の計画の進捗が遅れたこともあり、2023年2月期における弊社グループ連結売上高は321億円6,000万円となり、前期比4.7パーセントの減少となりました。

また、売上高の減少に伴い、営業利益、経常利益、当期純利益いずれも前期に比べ減少しました。

第59期(2024年2月期)の連結業績予想

次は業績予想についてご説明します。

2024年2月期より、長期的な経営視点から「顧客基盤の拡大」「顧客との継続的な関係育成」「第2の収益の柱の育成」の3点に注力し持続的な成長基盤の形成を図っていきます。これらの活動に推進力を生み出すために、新たな人材の確保と育成、次世代のWebシステム基盤整備やシステムリプレイスによる最適化などの費用を積極的に投入します。また、原材料価格やエネルギー価格の高騰、物流関連費用の増加や人件費の上昇などの費用増加も合理的に見積もった上で計画に織り込んでいます。

以上のことから、2024年2月期の予想については、売上高は3.8パーセント増加の333億6,700万円、営業利益は29.4パーセント減少の3億1,000万円、経常利益は54.9パーセント減少の3億6,900万円、当期純利益は51.2パーセント減少の3億2,700万円を見込んでいます。

今後の取り組み

最後に、今後の取り組みについてご説明します。注力するのは「顧客基盤の拡大」「顧客との継続的な関係育成」「第2の収益の柱の育成」の3点となります。

1点目として、中核事業である定期便事業において、「顧客基盤の拡大」のための新たな顧客との開発として「積層型ゲートウェイ」の構築に着手します。「積層型ゲートウェイ」とは、就職や結婚などライフステージの変化を顧客接点と捉え、この変化に応じたマーケティングを行うことにより顧客を開拓する活動を指します。ゲートウェイを構築することにより、ライフスタイルの変化を迎える方と接点を継続的に生み出し、さらに一定数が顧客として定着していくことにより顧客基盤の拡大を図っていきます。

2点目として、「顧客との継続的な関係育成」のために、「定期便」を利用することを「楽しいお買い物」として認知してもらうための取り組みを進めていきます。商品やサービスを利用したことから生まれる感動や満足感をこれまで以上に増幅し、もう一度味わいたい、何度でも味わいたいお買い物体験として心に刻んでもらうことにより継続的なお付き合いにつなげていくのが狙いです。

3点目として、中核事業に依存しない「第2の収益の柱の育成」のために、B2B型新規事業の物流EC支援事業や出品・出稿型の販売プラットフォーム開放事業のほか、弊社が保有する商品開発から販売までのノウハウやシステムを活用したサブスクリプションサービスなどを「ビジネスプロデュース事業」として統合し、各事業、サービス間の顧客シナジーを強化するとともに、サービス対象を企業から自治体まで拡張することにより収益拡大を図っていきます。

これらの取り組みを着実に実行し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指していきます。みなさまには、今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。

以上、簡単ではございますが、弊社の2023年2月期の決算説明を終了いたします。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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