配当金や株主優待を目的に株式投資を行っても、日々の株価の変動は気になるものです。長期投資であっても身銭を切って投資しているので、株価が気になるのは仕方ありません。
株価の変動は、企業業績のみならず日本そして世界経済全体の流れからも大きな影響を受けます。そして株価の変動は、株式のリターンに大きな影響を与えます。
よって配当や優待を目的に株式に投資した場合でも、「株価の値上がり・値下がり」は株式のリターンとしては欠かすことができない要因です。
今回は神戸物産(3038)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。
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1. 神戸物産(3038)の配当金のリターンはいくらか
神戸物産の株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2022年10月期の期末配当」を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年5月25日
- 株式の取得価格:2804円(取得日の終値)
- 2022年10月期・期末配当:22円
- 100株ベースの配当金のリターン:2200円
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. 神戸物産の株主優待のリターンはいくらか
神戸物産は、毎年10月31日現在の株主名簿に記載された1単元(100株)以上の株式を保有している株主を対象に、1000~2万円分のJCBギフトカードを優待として提供しています。
100株を1年保有した際に得られるのは、JCBギフトカード1000円分となります。
そのため、優待のリターンは1000円です。
3. 神戸物産の株式投資のトータル・リターンはいくらか
以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。
次に、株価変動によるリターンを計算します。
- 株式の取得日:2022年5月25日
- 株式の取得価格:2804円(取得日の終値)
- 取得から1年後の日付:2023年5月25日
- 1年後の株価の終値:4040円
- 100株ベースの株価変動によるリターン:+12万3600円
そして最後に、トータル・リターンを計算します。
- 配当金のリターン:2200円
- 株主優待のリターン:1000円
- 株価変動によるリターン:+12万3600円
- トータル・リターン(金額ベース):+12万6800円
- トータル・リターン(%ベース):+45.2%
トータル・リターンは金額ベースで+12万6800円でした。
配当金・株主優待・株価とそれぞれ分解して株式のリターンを確認すると、どの要素がリターンに影響を与えているか一目瞭然となります。
配当金や株主優待を目的に長期視点で投資した場合でも、株価水準を確認して、株式全体としてのリターンも把握しておきましょう。
参考資料
石井 僚一