婚活をする際に、相手に求めるものの1つとして「どのくらいの年収があるか」が挙げられます。

内閣府男女共同参画局による「男女共同参画白書」では、雇用者の共働き世帯は増加傾向にある一方で、男性雇用者と無業の妻からなる世帯は減少していることが分かっています。

共働きをする世帯が一般的になりつつある現代では、女性側だけでなく男性側も「相手に求める理想の年収」が少なからずあるでしょう。

そこで今回では、2023年4月26日に公表された調査データをもとに、「婚活者が求める理想の世帯年収」について解説していきます。

男女別の全国の平均年収も掲載しているので、理想と現実を比較しながら、ご自身のパートナーに求める理想年収を考えてみてください。

「婚活」男女ともに相手に年収条件を求める人が多い結果に

結婚相談所ネットワークを運営する株式会社IBJは、婚活中の男女1539人に「理想の世帯年収」の調査を実施しました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:日本結婚相談所連盟で活動する男女1539人(男性945人、女性594人)
  • 調査期間:2023年3月6日~3月15日
  • リリース公開日:4月26日(水)

上記調査の結果、相手に求める理想の年収として、男性は「〜500万円」、女性は「〜700万円」が最も多い結果となりました。

出所:婚活事業を複合展開する株式会社IBJ

前述したように、現代では男性だけでなく女性も働くことが一般的になりつつあります。

厚生労働省「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-(本文)」では、1980年は専業主婦世帯のほうが多かったのに対して、90年代には同程度となり、それ以降は共働き世帯が増加しています。

出所:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-(本文)」(2022年9月16日公表)

理想の年収を受け取っている人はどのくらい存在するのか?

相手に求める理想の年収として、男性は「〜500万円」、女性は「〜700万円」を求める声が最多となりましたが、果たしてどのくらいの割合の人が理想年収を受け取っているのでしょうか。

国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、女性の年収「400万円超〜500万円以下」の割合は11.4%、男性の年収「600万円超〜700万円以下」の割合は9.4%となりました。

出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」をもとに筆者作成

男女ともに、理想とする年収を受け取っている人は全体の約10%ほどとなっており、理想の年収条件に合う人を見つけるには、少し難易度が高いと言えます。

反対に、年収の割合が最も多いのは、男性の場合「400万円超〜500万円以下」で17.5%、女性の場合「100万円超〜200万円以下」で22.5%となりました。

上記は、既婚者やパートで働く人、非正規雇用の方なども含めたデータのため一概には言えませんが、理想年収を考える時の参考にはなります。

男女別で考える「25歳〜29歳」の実際の平均年収

株式会社IBJの婚活に関する調査では、パートナーに求める年収として、男性は「〜500万円(40.8%)」女性は「〜700万円(39.0%)」が最多となりました。

さらにそこから、25~39歳に絞って比較した際、男性は「~500万円(47.0%)」「~300万円(30.9%)」、女性は「~500万円(42.7%)」「~700万円(37.4%)」がボリュームゾーンという結果に。

では、25歳から39歳の実際の平均年収はどのくらいなのでしょうか。

出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」をもとに筆者作成

25~29歳は男性が404万円、女性が328万円という平均年収になっています。

また30~34歳では男性472万円、女性322万円。35~39歳では、男性533万円で女性が321万円です。

上記の結果をみてみると、男女ともに婚活者が理想とする年収よりも低い値であることがわかります。

結婚後のことを考えると、どうしても相手に年収の高さを求めてしまいがちですが、実際の年収データを参考にして、現実的な理想年収も考慮できると良いですね。

「理想の年収」と「現実の年収」に差が生じる結果に

本記事では、実際の調査データをもとに、「婚活者が求める理想の世帯年収」について解説していきました。

調査の結果、男女ともに理想とする年収よりも、現実の平均年収のほうが低い結果となりました。

結婚後の将来を考えた際に年収は優先度の高い条件になるかと思いますが、理想と現実を比較しながら、パートナーに求める理想年収を検討できると良いでしょう。

参考資料

太田 彩子