NHKの連続テレビ小説「らんまん」第8週のサブタイトルは「シロツメグサ」。春になると田畑や公園などで、白い花が一面に咲き広がる風景をよく見かけるなじみ深い植物です。
ドラマでは主人公の万太郎が牧場に生えていたシロツメクサを、植物学教室で飼っているウサギのエサとして持ち帰ったことから、学生との心の触れ合いが芽生えます。
今回はシロツメグサの魅力や育て方を紹介します。
【NHK朝ドラ】『らんまん』第8週に登場する「シロツメグサ」ってどんな植物?
- マメ科シャジクソウ属
- 多年草
- 原産地:ヨーロッパ
- 草丈:10~20センチ
- 開花期:4~7月
- 花色:白
- 参考価格:300~500円前後(3号ポット苗)
シロツメクサは「クローバー」とも呼ばれ、公園や野原に自生する野草。繁殖力旺盛で広い場所一面に広がり、緑のカーペットのようになっている景色をよく見かけます。
白いボール形の花は春~夏まで咲き続け、葉は1年中常緑。よく似た品種に花が赤いアカツメクサや、黄色のコメツブツメクサがあります。
シロツメクサはヨーロッパでは荷物の緩衝材として使われていたことも。江戸時代にオランダから将軍に献上されたガラス製品の荷箱に詰められていたので、「白い詰めもの」という意味合いで「シロツメクサ」と命名されました。
【NHK朝ドラ・らんまん】「シロツメグサ」の魅力は四つ葉探し以外にもたくさん
ボールのようなカワイイ花
シロツメクサの花はコロンとしたフォルムが愛らしく、白いボールが緑のカーペットの上に転がっているかのようです。
一見ひとつの丸い花のように見えますが、実は多くの小花が集まって花房を形成。それぞれの小花は小さいながらも、マメ科特有の5枚の花弁を持っています。
花には甘い蜜があり、子どもの頃に遊びながら蜜を吸った経験がある方も多いでしょう。鉢が好んで集まるので、養蜂を目的として栽培しているところもあります。
四つ葉を探す楽しみ
葉は丸い小葉が3枚集まり、表面には白っぽいV字模様が入っています。葉の表面に短いうぶ毛が生えているので、雨上がりに葉の上でキラキラ輝く丸い水滴を見かけることもあるでしょう。
通常は三つ葉ですが、まれに葉が4枚付いていることも。ヨーロッパでは四つ葉は十字架を象徴する形で、お守りとして持っていると幸運が訪れるとされています。
四つ葉が出る確率は5000~10000本に1本とのこと。めったにお目にかかれす希少価値があるだけに、ワクワクしながら探す楽しみも味わえます。
グラウンドカバープランツにも最適
シロツメクサの茎は1メートルほどまで伸び、盛んに枝分かれしながら広がります。節が地面に触れたところからさらに発根するので、一株植えただけでも広範囲にわたって繁殖。
あっという間に地面をおおい尽くし、ほかの雑草が生えるのを防ぎます。一面に広がる緑のカーペットが、潤いのある景観を作ってくれるでしょう。
家畜の飼料や農地の堆肥として利用
シロツメグサはやせた土地でも生育する強健な性質を持っているので牧草としても活用され、かつては「ウマゴヤシ」という別名でも呼ばれていました。
また春になると植え付け前の田畑一面に咲くシロツメグサを見かけることも。シロツメグサなどマメ科の植物は根に根粒菌が共生していて、この菌が土の中に窒素を固定させます。
窒素は植物生育に欠かせない要素なので、肥料の役割も果たすという仕組みです。
【NHK朝ドラ・らんまん】シロツメグサの育て方
栽培環境
シロツメクサは日当たりや風通しがよく、乾燥ぎみの土壌を好みます。荒地でも育つほど丈夫なのでほとんど手間いらず。広がり過ぎて困らないように、スペースのある場所に植えましょう。
水やり
多湿を嫌うので水の与え過ぎに気をつけましょう。ほとんど降水にまかせる程度で大丈夫です。
肥料
マメ科の植物は根で窒素を生成できるので、肥料は必要ありません。やせた土地でも元気に育ちます。
病害虫
とくに病害虫の被害はありませんが、まれにアザミウマやハダニが発生することも。アブラムシは手で取り除くか薬剤散布、ハダニは葉水をかけると予防できます。
懐かしい記憶がよみがえる、愛らしい花「シロツメクサ」
一面に広がる緑に愛らしい花を咲かせるシロツメクサ。野原でシロツメクサを摘んで冠作りをしたり、四つ葉探しに夢中になったりしたことを懐かしく思い出す方も多いでしょう。
踏みつけられても刈り取られてもたくましく育つシロツメクサを、グラウンドカバーとして育ててみませんか。