2023年5月15日に発表された、株式会社アップガレージグループ2023年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社アップガレージグループ 代表取締役社長COO 河野映彦 氏

2023年3月期決算説明

河野映彦氏:2023年3月期決算説明を始めます。アップガレージグループ代表取締役社長の河野映彦と申します。2023年4月1日付で代表取締役社長に就任いたしました。今後、成長を加速させ、お客さまにこれまで以上に喜んでいただける会社にしていく所存です。よろしくお願い申し上げます。

2023年3月期 業績サマリー

2023年3月期業績サマリーからご説明します。売上高は113億5,500万円で前期比7.8パーセント増、計画比で100.4パーセントとなりました。営業利益は8億4,600万円で前期比22.9パーセント増、計画比で105.7パーセントとなりました。当期純利益は5億5,900万円で前期比35.5パーセント増、計画比で115.8パーセントとなっています。売上、利益とも計画に対して上振れるかたちでの着地となりました。

新品価格が上昇する中、当社がメインで取り扱っている中古カー用品、バイク用品の需要拡大により、過去最高の売上高と営業利益を達成することができました。

また、「アップガレージ」の新規出店に関しては直営店で5店舗、FC店で9店舗と年間の出店計画を達成しました。期末配当予想は分割前で63円に再度上方修正させていただきました。

2023年3月期 連結業績

連結の業績です。売上高、営業利益ともに過去最高を更新することができました。営業利益率も前期比で1ポイント上昇し、7.5パーセントとなりました。

2023年3月期 連結業績

売上高の内訳ですが、リユース業態の売上高は前期比で7パーセントの増収、流通卸売は8.6パーセントの増収となりました。この増収効果と経営効率の向上により、大幅に増益することができました。

2023年3月期 連結主要販管費

売上高販管費率は前期比で1.2ポイント低下し、33.5パーセントとなりました。業務効率の改善が功を奏しました。

2023年3月期 営業利益 増減分析

営業利益の増減分析に関しては、スライドをご参照ください。

当社グループの売上分類構成について

売上分類構成に関しては、リユース業態と流通卸売業態の2本柱となっています。リユース業態では、リアル店舗である「アップガレージ」と「Croooober.com」というECサイトを運営しています。流通卸売業態では、「タイヤ流通センター」の店舗展開とタイヤの卸売販売、そして新品カー用品の卸売販売のインナーサイト「NEXLINK」を運営しています。

また新規事業である自動車業界に特化した人材紹介「BoonBoonJob」は、今後の事業の柱の1つにするべく努力をしています。

リユース業態 売上

リユース業態の売上構成についてご説明します。リユース業態は、直営店舗とフランチャイズ(FC)本部の運営による売上、EC手数料・Web広告費、そして越境ECサイトを運営していますので海外EC売上となっています。

新品の値上げや物価高の背景により、リユース品への需要が非常に高まり、直営店・FC店ともに売上は好調に進捗しました。

リユース業態 売上分類 ー 店舗売上

直営店の売上高は、コロナ禍においても右肩上がりの成長を継続することができました。特に中古品の買取、販売を強化したことにより、売上総利益率と客単価が向上しました。

リユース業態 売上分類 ー 店舗売上KPI

コロナ禍において特に力を入れて取り組んだ直営既存店の改善が功を奏し、売上総利益率と客単価が向上しました。さらに新規出店も好調に推移し、年間出店は計画どおりの5店舗を達成しました。

リユース業態 売上分類 ー フランチャイズ関連

フランチャイズ関連についてです。FC店の新規出店、既存店の売上高増加により、ロイヤリティ・加盟金収入が増加しました。FC店も年間出店計画の9店舗を達成することができました。

リユース業態 売上分類 ー EC手数料・WEB広告

ECサイトに関しては、取扱高が増加したことにより手数料収入が増加しました。ECサイトのアクセスPV数も好調に推移しました。

EC販売比率は22.8パーセントと前期よりも少し上がっていますが、我々が目標においている数値(20パーセントから25パーセント)で推移させることができています。

流通卸売業態 売上

流通卸売業態についてです。新品タイヤの出荷本数は過去最高を更新しました。タイヤホイールの取扱高は前期比117パーセント、用品の取扱高は前期比101パーセントと増加し、タイヤホイールが好調であったことが全体を牽引しました。

流通卸売業態 売上分類

流通卸売業態の売上高は8.6パーセントの増収となりました。メーカーによるタイヤ価格の値上げが年2回あったものの、取扱高は通期を通して順調に推移しました。「タイヤ流通センター」は、15店舗新規出店することができました。

会社別売上分類一覧

会社別売上分類一覧は、スライドをご参照いただければと思います。人材紹介サービスも大きく進捗しました。

組織再編及び商号変更について

組織再編及び商号変更についてです。

2023年4月1日、組織再編及び商号変更により、株式会社アップガレージグループとして新たにスタートしました。上場企業であった持株会社クルーバーが、子会社のアップガレージとネクサスジャパンを吸収合併し、株式会社アップガレージグループとしてスタートしました。

中長期成長戦略について

中長期の成長戦略についてです。まずリユース業態に関しては、国内において毎年直営店で3店舗から5店舗、FC店で7店舗から10店舗の新規出店を行います。メインブランドである「アップガレージ」を、将来的には総店舗数300店舗まで増やしたいと思っています。

また、アメリカ合衆国におけるリアル店舗の展開を目指します。今期中にUSA1号店の出店を計画しています。

流通卸売業態に関しては、わかりやすい3プライス方式でお客様から評価を頂戴しております「タイヤ流通センター」を毎年30店舗新規出店していきます。同時に「NEXLINK」の導入企業を拡大していきたいと考えています。

新業態の開始・育成に関しては、昨年始めた自転車の買取、販売店「アップガレージサイクルズ」の出店を加速させていきます。また、今年3月にオープンしたカスタムカー専門の販売店「アップガレージカーズ」をしっかりと軌道にのせます。そして、人的資本への投資をさらに進めることによって、将来成長するための人的基盤を強化します。

連結営業利益率については、早期に10パーセントを達成したいと考えています。事業規模拡大とDX、経営効率向上を図ることによって早期に達成できればと思います。

中長期成長戦略について

こちらは現在を踏まえた将来へのマップです。ここからは流通卸売業態を一気に拡大させ、さらに新規事業を上乗せすることでトップラインを伸ばしていきたいと考えています。

2024年3月期 業績予想

2024年3月期の業績予想です。

売上高125億円、営業利益10億円、当期純利益5億8,300万円を計画し、これらを着実に達成すべく頑張ってまいります。

2024年3月期 業績予想

業績予想の前提となるKPIについては、スライドをご参照ください。

2024年3月期 重点施策

今期の重点施策についてです。まず出店計画としては直営店5店舗、FC店10店舗、そして「アップガレージサイクルズ」5店舗を考えています。既存店のさらなる活性化、EC事業の拡大も図っていきます。

そして、売上拡大はもちろんのこと、当社は価格を決定できるマーケットリーダーですので、売上総利益率の向上を図るべくマーケティングを強化し、買取、販売価格の適正価格を追求していきます。また利益率の高いサービス商品の販売強化も行います。

さらに、顧客層の拡大とリユース業態の新たな収益の柱にすることを目指し、新業態である「アップガレージサイクルズ」と「アップガレージカーズ」にも力を入れていきます。また、海外展開も開始します。

新業態 アップガレージサイクルズ

新業態である「アップガレージサイクルズ」についてご説明します。「アップガレージサイクルズ」は中古自転車の車体とパーツ専門の買取、販売店です。

マーケット規模は、中古カー用品とほぼ同等の市場があるのですが、国内におけるメインプレイヤーは不在です。我々が20年間培ってきた中古カー用品バイク用品での店舗運営のノウハウ、在庫管理のノウハウを活かすことによって、早期にマーケットリーダーになることを目指していきたいと考えています。

新業態 アップガレージカーズ

「アップガレージカーズ」は、中古のカスタムカーの販売を行うショップです。改造された車ですと、一般的な中古車ディーラーさまから敬遠されやすく価格がなかなか付かないことがあります。しかし当社にとっては、付いているパーツ自体も価値のあるものであり、取り外して店頭に並べれば非常に良い商品となりますので、パーツ一点一点に価格を付け、車体価格にプラスすることによって、ユーザーさまにご満足いただける買取価格を提示させていただくことが可能となります。

またアップガレージ店舗にて、中古車をカスタムし、それを販売することも行っていきたいと考えています。

重点施策 ー 海外展開

海外展開についてです。今期中に、カリフォルニア州にUSA1号店を出店し、2025年3月期中に黒字化を目指して行動していきたいと思っています。

USAでは日本車、そしてカスタム好きなユーザーさまをメインターゲットにし、お客さまの嗜好にそった商品をラインナップすることで、市場を開拓していきたいと考えています。

重点施策 ー システム・DX・オムニチャネル

システム・DX・オムニチャネルについてです。システム開発やDX化を促進し、「店舗―EC―Webサイト―顧客」をつなぐOMO戦略の拡大を目指していきます。

マーケティング専任者やシステム開発をするエンジニアを自社で採用・育成することにより、戦略実現のスピードを加速しています。ABテストを繰り返す等、お客さまにとって利便性が高く、かつ店舗スタッフにとっても業務が効率化され、働きやすさにつながるようなシステム作りにどんどんチャレンジしていきたいと考えています。

重点施策 ー 人的資本への取り組み

人的資本への取り組みです。従業員のエンゲージメントと人的資本への取り組みを、さらに強化していきたいと思っています。

昨年2022年4月には賃上げ率4.6パーセント、2023年4月には賃上げ率5.5パーセントと2年連続で正社員の給料のベースアップを実施しました。これを毎年できるよう取り組んでいきたいと思っています。

また、給与制度の改革として、エリア制やフレックス制を導入し、従業員にとって働きやすく、柔軟な働き方ができる環境を築いていきます。

加えて、福利厚生制度の改革として、有給とは別枠のイベント休暇の付与、リスキリングの促進や健康促進手当の新設などを行い、従業員のエンゲージメント意識を向上させていきます。

2024年3月期 配当予想

2024年3月期の配当予想についてです。配当予想は、上場から3期連続の増配を見込み、22円を予想とさせていただきます。引き続き、配当性向30パーセントを目標に、継続的に株主還元を行う方針です。

新規出店(1)

新規出店に関しては、「アップガレージ」直営店は5店舗、FC店は9店舗の出店が完了しました。今期の出店計画も前倒しで進んでいますので、ご期待いただければと思います。

新規出店(2)

「タイヤ流通センター」は、15店舗の新規出店ができました。今期は30店舗を目指します。

OMO戦略

OMO戦略についてです。

ECサイト上で、商品購入からご指定の店舗での取付け予約までがワンストップで可能になるOMO戦略を開始したことにより、取付けサービス件数が非常に伸びています。今期も引き続き力を入れていきます。

買取

買取についてです。リユース業態における肝は買取です。前期は、金額(前期比114.5パーセント)、点数(前期比103.9パーセント)とも上昇させることができました。さらなる強化を図り、店舗に良い商品を置けるようにしていきたいと考えています。

人材紹介

人材紹介事業についてです。将来の事業の柱にするべく、人材紹介ビジネスを行っています。また人材紹介を切り口に、企業さまに対し、色々なビジネスを提供できるような体制をとっていきたいと思っています。

新規事業 アップガレージカーズ

中古カスタムカーの販売専門店「アップガレージカーズ」についても、業容を拡大していきます。

インバウンド

コロナ禍も落ち着き入国規制が緩和されたことにより、免税売上・免税客数は過去最高を更新しています。こちらも引き続き強化を図り、海外のお客さまのニーズにも応えていけるようにしたいと考えています。

アップガレージ既存店の月次推移(直営・FC)

最後に、アップガレージ既存店の月次推移です。新規出店を着実に進めながら、既存店も強化し、業務効率を上げていきながら順調に成長することができています。これも引き続き注力してまいります。

以上をもちまして、2023年3月期決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。

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