GWが明けた5月中旬以降。長い休暇から日常生活に戻ることにより、心に負担がかかり不安・緊張・悲観を伴う低活動状態、「うつ状態」に陥ることがあります。

実際にこの時期は、メンタルの不調について相談する患者さんが増える傾向にあります。

今回は、「うつ状態」に陥る原因と有効な対応策を心療内科医の観点から紹介します。

「うつ状態」に陥るケースはさまざま

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「うつ状態」に陥るケースはさまざま。家庭や職場、学校などの人間関係の歪みや、過去の心的外傷、いわばトラウマによって陥ることもあります。

この状態を「ストレス性抑うつ症」と言います。

随伴症状としては、頭痛、めまい、喉の絞扼感、動悸、胸焼け、下痢など、身体全体に張り巡らされている自律神経系が乱され、あらゆる身体症状を呈します。

それに加え、不眠や引きこもり、感動・情緒の希薄化、認知・判断能力の低下、大好きだった趣味に対する興味も薄れ、だらだらと無為に過ごすことも…。

ストレスとの向き合い方を考える

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はっきりしたストレス源がある場合は、原因から離れるか、原因を乗り越える心の耐性をつけるかですが、そう簡単にはいきません。

ストレス源がトラウマの場合は、「あの時はそう対応するしかなかった」という心の整理をつけることが大切です。

薬に頼らないストレス軽減法については、「マインドフルネス・ストレス低減法」で副交感神経を刺激し、緩和することができます。

簡易的な「マインドフルネス・ストレス低減法」

「マインドフルネス・ストレス低減法」は、毎日を生きる上でのストレス・欲求・心理状態などの問題を真正面から向き合い、付き合い方を模索していくものです。

ご自宅で簡易的な「マインドフルネス・ストレス低減法」を行う場合は、座禅を組むのが有効的。厳しい場合は椅子に座りながらでも問題ありません。

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片方の手のひらにもう一方の手のひらを乗せ、両手の親指の先端を合わせます。そして、組んだ足、あるいは膝の上に手を置き、目を閉じて呼吸のみに注目。穏やかに呼吸をして、「いち、いち、いち」「にぃ、にぃ、にぃ」と数えます。

最初は5分程度にして、これを毎日。できれば朝に行い、徐々に時間を延ばし、15分を目指しましょう。

説明した方法でも、うまく対応できない場合は、内服治療を含めた対応が必要ですので、精神科や心療内科にかかることをおすすめします。