20代の方の中には、「今の仕事を辞めてやってみたかった職種に転職したい」と考えている方もいるかもしれません。

20代の若い世代においては、スキルや経歴よりも「ポテンシャル」を重視して採用されやすい傾向にあるため、未経験職種に就くには有利な年代と言われます。

本記事では、2023年5月1日に公開された調査結果を紹介。

経験者(中途)採用をするにあたって、企業が20代に求めていることについて深掘りしていきます。

20代が転職をすることで、年収アップにつながるのかについても解説しているので、参考にしてみてください。

約6割以上の企業が経験者(中途)採用に「20代」を希望している

株式会社学情は、企業・団体の人事担当者を対象に「中途採用における採用対象」に関する調査を実施しています。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査期間:2023年4月7日~2023年4月21日
  • 調査対象:企業・団体の人事担当者
  • 有効回答数:444社
  • 調査方法:Web上でのアンケート調査
  • リリース公開日:2023年5月1日

上記調査の結果、経験者(中途)採用において、半数以上が「20代」をとくに採用したい年齢層であると回答しています。

出所:株式会社学情「経験者(中途)採用で「特に20代を採用したい」と回答した企業が6割を超える。20代を対象にした経験者(中途)採用では、7割超の企業が「ポテンシャル」を重視した採用を実施/人事担当者アンケート」

とくに採用したい年齢層は「26歳から29歳」が最多、次いで「〜25歳」が多く、20代が6割以上を占める結果となりました。

中途採用と聞くと「スキルや経験のある30代や40代のほうが需要があるのでは」と思うかもしれませんが、実際のところ若い世代を積極的に採用したいと考える企業が多いようです。

実際、厚生労働省の行った「令和3年雇用動向調査」によると、20代は30代や40代と比較すると、転職入職率が高い傾向にあります。

出所:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」

年代が上がるにつれて、徐々に転職入職率が低くなる傾向にあるため、「転職して年収アップがしたい」「他の職種に就いてキャリアアップがしたい」と考えている方は、なるべく早く行動することが大切になるでしょう。

企業の約7割は20代の「ポテンシャル」を重視して採用している

株式会社学情の「20代を対象とした経験者(中途)採用において採用対象者に求めること」に関する調査では、約7割の企業が採用対象となる20代に「業界/職種の経験は問わない」と回答しています。

出所:株式会社学情「経験者(中途)採用で「特に20代を採用したい」と回答した企業が6割を超える。20代を対象にした経験者(中途)採用では、7割超の企業が「ポテンシャル」を重視した採用を実施/人事担当者アンケート」

20代経験者(中途)採用の対象として、55.3%の企業が「社会人経験は求めたいが、業界/職種の経験は問わない」と回答しており、次いで15.2%の企業が「社会人経験を問わない」と回答しています。

上記の結果から、中途採用において企業は20代に、経験やスキルよりも「ポテンシャル」を重視して採用しているとうかがえます。

年齢が上がるにつれて、徐々にポテンシャルよりも今までの実績やスキルが重視されていくため、20代ならではの特権といえます。

また、転職をすることで挑戦してみたかった職種に就けるだけでなく、年収アップにもつながりやすくなります。

実際に厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、4割以上の20代転職入職者において年収が増加しています。

出所:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」をもとに筆者作成

転職後に賃金が変わらない・減少した割合よりも、増加した割合のほうが多いことから、転職をきっかけに年収を上げられる可能性は大いにあると考えられます。

20代だからこそやりたい職種に挑戦してみよう

本記事では、経験者(中途)採用をするにあたって、企業が20代に求めていることについて紹介していきました。

調査では経験者(中途)採用において、6割以上の企業がとくに採用したい年齢層として「20代」と回答しました。

また、7割以上の企業が20代を対象にした中途採用において「業界・職種経験を問わない」と回答しており、経験やスキルよりも「ポテンシャル」を重視して採用する企業が多いことがうかがえます。

近年は、働き方の多様化が進んでいることから、「転職」に対してポジティブな意見をもつ人が多くなりました。

転職して年収アップやキャリアアップがしやすい現代だからこそ、働きたい職種があったり、より年収アップがしたかったりする場合は、積極的にチャレンジしてみるのも良いでしょう。

その際には、まずはやりたいことを明確にし、自身の強みを分析するところから始めてみることをおすすめします。

参考資料

太田 彩子