都心でファストフード店のアルバイトの時給を見てびっくり!なんていうことはないでしょうか。23区内の有名私立大学近くにある某ハンバーガーチェーンのアルバイト募集の掲示には、時給で千数百円の文字が踊ります。

まじめに就職なんてしてられない!?

アルバイトとはいえ、仮に時給1,500円で1日7時間、月に25日程度働くとするとどうでしょうか。1日バイトをすれば1万円以上もらえることになります。20日以上勤務できれば大卒初任給を超えてしまいそうな水準です。

この事実を知り、国立大学を卒業してベンチャー企業に勤務する若手が呟きました。

「バイトの方が気楽でいいし、今の会社の勤務時間を考えたらそっちの方が割が良い。仕事変えようかな」

半分冗談交じりでしたが、時給の高さに驚いて出てきた言葉でした。

パート・アルバイトの就業者は増加している

では、総務省統計局が実施している労働力調査のデータを見ていきましょう。

同調査によるパート・アルバイトの年平均の就業者数は、2002年の1,053万人から2016年には1,403万人と、ここ15年間で350万人増加しています。働き手が増えているのにかかわらず、時給が上がっているというのは一見不思議に思えます。

年齢別に見ると、最も増加している年代は65歳以上です。2016年平均のパート・アルバイトの就業者数は204万人と、15年間で152万人増加し、2016年は2002年比で実に292%の増加となっています。

65歳以上に次いで増加しているのが、55〜64歳の層です。2016年平均の従業者数は261万人で、過去15年間で104万人増加し、2016年は2002年比で66%の増加です。

パート・アルバイト年齢別就業者数1/1

パート・アルバイト年齢別就業者数

出所:総務省統計局 労働力調査

若いバイトが足りない

一方、パート・アルバイトの就業者数が減少している年代もあります。

それは15〜24歳の年代です。2002年平均で222万人であったのが、2016年平均は202万人と、過去15年間で20万人減少する状況となっています。25〜34歳のパート・アルバイト就業者数も、過去15年間で見ると若干ですが減少しています。

そもそも、この年代の働き手が少子化の影響で不足しつつあるという背景もあるのでしょうか。この数字を見る限り、パート・アルバイト市場では若い労働力が貴重だと言えるでしょう。

若者に接客されたい? それとも年配がいい?

近年は15〜34歳の年代のパート・アルバイト就業者の供給が減少し、その一方で50歳代や60歳代が労働力として活躍していることが分かりました。実際、コンビニやファストフード店で、これまでは若者が中心だった接客スタッフの姿が変わりつつあるように思います。

利用者側には、「スーパーでレジ待ちをするときは若い人がレジをしている列を選ぶ」という人もいれば、「若い人よりも年配の人が接客してくれるほうが丁寧」という声もあります。

ただ、これまで見てきたように、今後パートやアルバイトにおける若い労働力の比率が上がってくることはなさそうです。サービス業で活躍する年齢層は入れ替わったとも言えるでしょう。

55〜64歳のパート・アルバイトの就業者数が15〜24歳を抜いたのが2006年、65歳以上が抜いたのが2016年。どうやらパート・アルバイト市場の主役は50歳台以上になりつつあるようです。

働き方改革の前に考えるべきこと

日本の2016年平均の就業者数は6,456万人。そのうち、非正規の職員・従業員の数は2,023万と就業者全体の31%を占めます。2002年にはその比率が23%であったことを考えれば、大きく上昇したことになります。

少子高齢化、非正規の従業員比率の上昇は大きなトレンドであり、今見ている姿は急には変わらないでしょう。政府が声高に叫ぶ「働き方改革」はさておき、変わりつつある労働市場を皆さんはどう思いますか。

LIMOキャリア部