それは15〜24歳の年代です。2002年平均で222万人であったのが、2016年平均は202万人と、過去15年間で20万人減少する状況となっています。25〜34歳のパート・アルバイト就業者数も、過去15年間で見ると若干ですが減少しています。
そもそも、この年代の働き手が少子化の影響で不足しつつあるという背景もあるのでしょうか。この数字を見る限り、パート・アルバイト市場では若い労働力が貴重だと言えるでしょう。
若者に接客されたい? それとも年配がいい?
近年は15〜34歳の年代のパート・アルバイト就業者の供給が減少し、その一方で50歳代や60歳代が労働力として活躍していることが分かりました。実際、コンビニやファストフード店で、これまでは若者が中心だった接客スタッフの姿が変わりつつあるように思います。
利用者側には、「スーパーでレジ待ちをするときは若い人がレジをしている列を選ぶ」という人もいれば、「若い人よりも年配の人が接客してくれるほうが丁寧」という声もあります。
ただ、これまで見てきたように、今後パートやアルバイトにおける若い労働力の比率が上がってくることはなさそうです。サービス業で活躍する年齢層は入れ替わったとも言えるでしょう。
55〜64歳のパート・アルバイトの就業者数が15〜24歳を抜いたのが2006年、65歳以上が抜いたのが2016年。どうやらパート・アルバイト市場の主役は50歳台以上になりつつあるようです。
働き方改革の前に考えるべきこと
日本の2016年平均の就業者数は6,456万人。そのうち、非正規の職員・従業員の数は2,023万と就業者全体の31%を占めます。2002年にはその比率が23%であったことを考えれば、大きく上昇したことになります。
少子高齢化、非正規の従業員比率の上昇は大きなトレンドであり、今見ている姿は急には変わらないでしょう。政府が声高に叫ぶ「働き方改革」はさておき、変わりつつある労働市場を皆さんはどう思いますか。
青山 諭志