中間テストの時期となり、受験に向けて内申点が気になる季節となりました。

子どもが進路を決める際、親側としては「大学の学費はいくらになるのか」「一人暮らしをするとしたらいくら仕送りする必要があるのか」など知っておきたいことが多くあるでしょう。

昨今では食品や光熱費など身近なモノの物価上昇が急激に進み、教育費の捻出が悩みとなることも多いです。

本記事では、国公私立大学それぞれの大学費用や、2023年3月に公表された「一人暮らしの仕送り額」など、実際の調査データをもとに紹介していきます。

大学への進学はある程度まとまったお金が必要となるため、記事を参考に経済的な部分も考慮に入れながら、お子さんの進学先を一緒に検討してみてください。

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「国立」「公立」「私立」の学費はどのくらい違う?

文部科学省の調査データによると、令和3年の国公私立大学それぞれの学費は、次のとおりとなりました。

出所:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに筆者作成

入学料に大きな変化はありませんが、授業料は国立大学(53万5800円)や公立大学(53万6363円)と比較すると、私立大学(93万943円)のほうが倍近い費用となっています。

また、理系や医学などの私立大学に進学する場合は、さらに授業料が高くなる可能性もあるでしょう。

大学を4年間通った場合、トータルの大学の学費は下記のようになります。

出所:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに筆者作成

国立大学や公立大学の学費が約250万円前後であるのに対して、私立大学は約400万円と、その差は約1.6倍となっています。

さらに、大学へ進学する場合は上記以外に、保険料や教科書代、受験の検定料、通学費などの費用もかかります。

上記に加えて、私立大学の場合は設備費用がかかってくることもあり、理系や医学部などでは研究や実習費が必要となるため、費用はさらに大きくなるでしょう。

とはいえ、国立や公立大学を選択した場合でも、学費として約250万円は必要となるため、どの大学に進学してもある程度の大きな金額は必要になってくるといえます。

どちらの進路を選択するにしても、今一度ご家庭の経済状況と照らし合わせて「大学進学が経済負担にならないか」「奨学金の利用をしたほうが良いか」などを確認しておけると良いでしょう。

一人暮らしの仕送り額は約7万円が目安

子どもの行きたい大学進路は、必ずしも家から近い場所にあるとは限りません。

もちろん、家から少し遠い場合であれば電車やバスを利用して通学すれば問題ありませんが、片道数時間かかる場合は「一人暮らしをする」という選択肢を余儀なくされます。

では、一人暮らしで必要となる生活費と親が子どもに送る仕送り額はどのくらいが目安なのでしょうか。

全国大学生協連の調査データによると一人暮らしの一ヶ月の生活費が「12万3630円」であるのに対して、仕送り額は「6万7650円」が平均でした。

出所:全国大学生協連「第58回学生生活実態調査 概要報告」

過去の約10年間の平均からも、大学生への仕送り額は約7万円が目安であるとうかがえます。

仕送り額で足りない分は、奨学金やアルバイトから費用をまかなっている学生が多いようです。

しかし、生活費が足りないからといってアルバイトを多く入れてしまうと学業に支障をきたしてしまう可能性もあります。

さらに大学3年生になると研究や就活など、授業以外にもやるべきことが増えてくるため、なかなかアルバイトに入れない現状もあります。

奨学金を多く借りるといった選択肢もありますが、奨学金は本人に返済義務が生じるため、なるべく必要最低限のお金を借りる程度にとどめておきたいものです。

一人暮らしをするのは、あくまで学業のためという本来の目的を忘れずに、数ヶ月に1度は家族内で仕送り額を話し合い、金額の見直しを行うことも大切です。

大学進学は学費だけでなく一人暮らしの有無も検討しておこう

本記事では、国公私立大学それぞれの大学費用や、一人暮らしの仕送り額などを実際の調査データをもとに紹介していきました。

「私立大学は高い」というイメージが強い方もいるかもしれませんが、実際は国立大学や公立大学へ進んだ場合でも、数百万円という大きなお金が必要になります。

もし国立大学や公立大学に進学する場合でも、ある程度まとまったお金は必要であり、私立大学に進学する場合は、さらに高額な費用が必要です。

さらに、進学したい大学が家から遠い場合は、一人暮らしをする必要が出てくるため、そのぶん仕送り額も負担しなければいけません。

子どもの進学先を一緒に検討する場合は、学費や一人暮らしの有無もあわせて確認しておき、事前に金額のシミュレーションをしておくことが大切になるでしょう。

参考資料

太田 彩子