2023年5月9日、大阪府における「第1回大阪府戦略本部会議」にて、高校授業料の完全無償化の議論が進められました。

現行の制度では「高校授業料無償化」と言えども所得制限がある状態ですが、これを撤廃し、完全無償化を目指すというものです。

骨子案では私⽴高校も公⽴高校も対象とされています。

くわしく見ていくとともに、教育費の目安について見ていきましょう。

高校の授業料無償化制度(高等学校等就学支援金制度)とは

高校の授業料が無償化となる制度とは、国による高等学校等就学支援金制度を指します。

これは高校等に通う子どもがいる場合、上限として39万6000円(私立高校全日制の場合)が支給されるもので、返還不要となっています。

出所:2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット

ただし、現状では本制度の利用にあたって世帯の所得制限が設けられています。

両親のうちどちらか一方が働き、高校生一人(16歳以上)、中学生一人の子供がいる世帯の場合においては、世帯年収910万円が目安となります。

出所:2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット

児童手当でも所得制限の目安が1000万円前後となることから、不満の声があがっていました。

大阪府では独自に所得制限を撤廃へ

大阪府が2023年5月9日に行った戦略本部会議において、「大阪における高校・大阪公立大学等の授業料等無償化制度の基本的方向性について」が議論されました。

素案によると、2024年度に高校3年から所得制限を段階的に撤廃し、2026年度にすべての学年で授業料が無償化される方針です。

出所:大阪府「大阪における高校・大阪公立大学等の授業料等無償化制度の基本的方向性について(素案)」

大阪府では現状でも国の制度に独自の上乗せ助成を行っており、2020年度には⼤阪公⽴⼤学等の授業料等無償化制度を創設しました。

今後は所得制限を撤廃し、完全に無償化となる見通しです。

さらに「府外の私⽴⾼校等に対して、⼤阪府の就学⽀援推進校制度(キャップ制)への理解を求めて参加を促すため、近畿1府4県の私⽴⾼校等と調整する」とあることから、周辺地域への広がりも期待されます。

高校~大学の教育費負担は重い

高校の授業料が無償化されるとなれば、負担が軽くなると感じる方も多いでしょう。

では実際のところ、高校~大学の教育費負担はどれぐらいが相場なのでしょうか。

●高校の学費

文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」によると、公立と私立の3年間の費用は次のとおりです。

  • 公立: 154万3116円
  • 私立: 315万6401円

●大学の学費

文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」及び文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、大学4年間の費用は次のとおりです。

  • 国立大学:53万5800円×4年間+入学料28万2000円=242万5200円
  • 公立大学:53万8734円×4年間+入学料39万2391円=254万7327円
  • 私立大学:93万943円×4年間+入学料24万5951円=396万9723円

実際には授業料や入学料以外にも費用がかかり、一人暮らしとなるとさらに膨れ上がります。

子育て費用の最後の関門は、やはり大学費用と言えるでしょう。

すぐに貯めることは難しいため、早いうちからコツコツ準備を始める必要があります。

高校から大学の教育費は公的助成の情報収集&早めの準備が大切に

大阪府のように、独自に教育費の助成に乗り出す自治体が今後も出てくる可能性はあります。

全国に広がるのか今後も注目が集まりますが、一方で教育費準備の基本は自助努力になることを忘れてはならないでしょう。

特に大学費用は大きな金額になるため、収入からの支出ではまかなえないことがほとんどです。

先を見据え、コツコツ貯めることが重要になるでしょう。

参考資料

太田 彩子