過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2022年5月10日) |
4月以降、食料品や電気の値上げが相次いでいます。物価の値上げが続くと、預貯金だけでなく、運用を考える方もいるのではないでしょうか。
ネットなどで調べると、「初心者におすすめ!」とあるのがつみたてNISA。
たしかにつみたてNISA制度を利用すれば、通常は運用益に20.315%かかる税金が年40万円まで、最長20年間非課税になります。
ただし、運用には必ずリスクがあります。つみたてNISAはあくまでも投資信託等を活用した制度ですので元本保証はありません。
さらに金融商品によってパフォーマンスが異なることにも注意が必要です。
また、つみたてNISAはほとんどがインデックス投信を購入することになります。
今回はこれからつみたてNISAをはじめる方に向けて、買ってはいけないインデックス投信をご紹介します。
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つみたてNISAの商品は多岐にわたる
つみたてNISAは金融庁が厳選した金融商品の中から自分で選ますが、金融庁によると、つみたてNISAの商品は全部で210本もあります。内訳は以下のとおり。
- 指定インデックス投資信託:181本
- 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):22本
- 上場株式投資信託(ETF):7本
出典:金融庁「つみたてNISAの対象商品」(2022年3月24日時点)
「インデックス投資信託」が一番多く、日本株式ならTOPIXや日経平均、米国株式ならNYダウ、世界株式ならMSCI指数といった株価指数などのベンチマーク(指標)に連動する運用成績を目指す投資信託です。
一方アクティブ運用投信とはベンチマークを上回る運用成績を目指すもので、手数料も高く設定されることが多いです。
以上のことから、初心者の方におすすめなのはインデックス投信だといえます。
ただ、次にご紹介する3点のようなインデックス投信の購入はよく考えるべきでしょう。
1. 勧められただけで自分では内容がよくわからないファンド
今はネットやSNSを見ればつみたてNISAに関する情報が数多く載っています。具体的にどのインデックス投信がおすすめか、銘柄まで紹介されていることも。
しかし「このサイトやこの人が勧めているから多分大丈夫」と鵜呑みにするのはNGです。自分でろくに調べもせず始めるのは避けましょう。
金融商品の数が多いので、こうした口コミ等を参考にするのは構いません。ただ実際にどのような先に投資しているのか、信託報酬はいくらかなど、内容については自身で必ず確認することが大切です。
つみたてNISAは長期間運用することで、利息に利息がつく複利の効果を期待するものです。
お金が必要になれば売却して引き出すこともできますが、基本的には10年以上という長期運用を続けることが望ましいです。
つまり、10年先、もしくはそれ以上運用し続けても自分で大丈夫だと思えるものを選ぶ必要があります。
あくまでも投資は自己責任です。利益を得るのも、損をするのも責任はすべて自分にあります。ネットやSNSの記事を書いている人も当然責任は取ってくれません。
受け身の姿勢ではなく、自分で調べて納得のいく商品を選びましょう。
2. 信託報酬が高いファンドは避ける
投資信託は、保有中に投資信託の運用や管理などにかかる「信託報酬」という手数料がかかります。
金融庁によると、つみたてNISAのインデックス投信の信託報酬は以下のように定められています。
インデックス投信は、ベンチマークが同じ商品であれば、パフォーマンスはほとんど一緒です。どこで差が出るかというと、実は信託報酬などのコスト差です。
「1%以下の手数料ならそこまで大差ないのでは」と思いがちですが、信託報酬は保有している間ずっとかかります。
リターンにも影響するため、できるだけコストが低い商品に投資をするのは資産運用における基本です。
ほとんど同じ投資対象で運用している場合は、信託報酬が低い方を選ぶといいでしょう。
3. 保守的過ぎるファンドも考えもの
つみたてNISAの大きなメリットは、通常20.315%運用益にかかる税金が非課税になる点です。
つまり、利益が出ていなければメリットを享受できません。リスク許容度は個人差があるので、自分がとれる範囲のリスクをとることが重要です。
ただはじめて投資をする場合、リスクが怖くて必要以上に保守的になってしまう方もいるでしょう。しかし、分散し過ぎもよくありません。
これから資産を増やしたいと考えるあなたが、成長しない資産に投資をしていたら矛盾してしまいますよね。
そもそも投資信託は中身で分散投資が出来ています。また、つみたてNISAで毎月積立投資をすると、購入するタイミングの分散ができます。
これから資産を増やしていきたい方は、成長する資産に投資信託で購入しタイミングを分散することを心がけましょう。
大切な資産は「自分で考え」「自分で守る」
将来のためにお金を増やしたいと思って「つみたてNISA」を始める方も多いでしょう。
大切な資産だからこそ、今回ご紹介してきた視点を持ちながら、ご自身で主体的に調べて選んでいくとよいでしょう。
なお、金融機関によって取り扱っているつみたてNISAの商品が異なるので、事前に確認することが大切です。
参考資料
宮内 勇資