過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2022年5月5日) |
みなさんは「老後の年金」と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「何歳から貰えるのか分からない」「年金だけでは生活できないのでは」「思っていたより少なそう」など世代によってさまざまでしょう。
特に、新社会人など働き始めたばかりの方には遠い未来の話ですから、イメージが湧きづらいかもしれません。
しかし年金はリタイア後の貴重な収入源ですから、どの世代でもしっかりと把握しておくことをおすすめします。
そこで今回は実際にいくらくらい年金が受け取れるのか、その確認方法も合わせて考察します。
【注目記事】厚生年金の見込みが20万円だった男性。手取りの少なさに愕然としたワケ
1. 公的年金制度をおさらい!
まずは日本の公的年金制度をおさらいしてみましょう。
日本の公的年金は1階部分の「国民年金」と2階部分の「厚生年金」との2階建てで構成されています。
土台となる1階部分の国民年金ですが、国内に住む20歳から60歳までの方に加入が義務づけられています。保険料は加入者一律で、学生、自営業者、会社員や公務員の被扶養配偶者などが該当します。
国民年金は480月の支払いで満額支給となり、未納月数分がマイナス調整されます。日本年金機構によると、令和4年度は月6万4816円が満額支給額です。
続いて上乗せ部分の厚生年金ですが、お勤めの形態と期間によって支払い義務が発生します。国民年金とは違い、保険料は収入によって異なるため、支払った保険料が多いほど将来の受け取り額が多くなります。
受け取り額を増やすには保険料支払い期間中の收入が重要になりますね。
2. 【厚生年金】平均受給額はいくらか
次に厚生年金の平均受給額と受給人数を、厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに男性に絞って確認します。
ここで使用する厚生年金の金額には、国民年金の金額も含まれています。
2.1 【男性】平均月額
16万4742円
- 1万円未満 7万2507人
- 1万円以上~2万円未満 1万2071人
- 2万円以上~3万円未満 5395人
- 3万円以上~4万円未満 1万170人
- 4万円以上~5万円未満 3万714人
- 5万円以上~6万円未満 6万7421人
- 6万円以上~7万円未満 16万3063人
- 7万円以上~8万円未満 24万4810人
- 8万円以上~9万円未満 24万2657人
- 9万円以上~10万円未満 27万3243人
- 10万円以上~11万円未満 35万350人
- 11万円以上~12万円未満 43万8683人
- 12万円以上~13万円未満 51万8659人
- 13万円以上~14万円未満 60万8992人
- 14万円以上~15万円未満 70万4371人
- 15万円以上~16万円未満 79万3583人
- 16万円以上~17万円未満 88万4219人
- 17万円以上~18万円未満 94万8543人
- 18万円以上~19万円未満 94万2288人
- 19万円以上~20万円未満 87万9047人
- 20万円以上~21万円未満 75万7129人
- 22万円以上~23万円未満 41万4195人
- 24万円以上~25万円未満 19万63人
- 25万円以上~26万円未満 12万1426人
- 26万円以上~27万円未満 7万5194人
- 27万円以上~28万円未満 4万4547人
- 28万円以上~29万円未満 2万2741人
- 29万円以上~30万円未満 1万807人
- 30万円以上~ 1万6346人
合計:1071万6244人
男性の平均受給額は月に16万4742円で、月17万円~18万円を受け取っている方が最も多いことが確認できます。
月に15万円以上受け取っている方は697万3138人と65.0%ですから、半数以上が月に15万円以上を受け取れることも確認できました。
厚生年金は在職中に支払った金額によって受給額が変わるため、大きくバラつきがあります。ご自身の年金がいくらくらい受け取れるのか、ねんきん定期便やねんきんネットで確認ができるので積極的な活用をおすすめします。
参考までに、ねんきん定期便は誕生日月に郵送されますので捨てずにしっかりと確認しましょう。
3. 厚生年金だけで将来は安心なのか
ここまで男性の厚生年金について確認してきました。平均受給額は月16万4742円で、65%の方が月に15万円以上を受給しています。
平均16万円が多いか少ないかは人によって変わると思いますが、仮に月16万円の受給とすると年間192万円ですから、現職中に比べると少ない方が多いのではないでしょうか。
受け取れる年金額が少ないと感じた場合は自分で備える、資産運用などを検討してみるのが良いでしょう。
たとえば私的年金のiDeCo、つみたてNISAや一般の投資信託などの自分で資産を築く方法があります。
もちろん資産運用にはリスクもつきものです。まずはご自身にとってどの程度のリスクまでなら許容出来るのか把握することが重要です。
何事も「知っている」と「知らない」では大きな違いが生まれますので、積極的に情報は集めていただく方が良いでしょう。
長い人生の中で一度立ち止まっていただき、ご自身の将来、リタイア後のお金事情について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
徳原 龍裕