規制業種とは、事業を始めるのに免許や認可が必要であったり、監督官庁の指導などが厳しい業種のことを指します。
A氏が勤務してきた金融業界は典型的な規制業種です。その他、通信、医薬、放送、鉄道、自動車なども規制業種といえるでしょう。
規制業種では事業を始めるのに免許が必要であるため参入障壁が高くなり、新規のプレーヤーが相次ぐといった事態にはなりにくく、競争が緩くなりがちです。企業として見たときには、規制業種であることそのものが強みになるともいえます。「孫正義氏が率いるソフトバンクも、通信事業が現在のコア事業になっているのは偶然ではないでしょう」とA氏は指摘します。
また、こうした規制業種の平均給与はほかの産業に比べると高くなる傾向にあります。
もっとも規制業種は就職先としても人気が高く、転職時の倍率も高いので、なかなか入れないことも多いでしょう。ただ、A氏は転職先の候補のひとつとしてはまず検討をしてもよいというのです。
A氏自身、努力をして金融機関で職を手にしたことは認めています。ただ、実際に働いてみたことで「結局誰が担当しても結果はそれほど変わらないビジネスモデルだと実感した」ともいいます。「もちろんボーナスで差はつきますが、職さえ手にすれば一応は高収入を得ることができるのが金融なのです」と、A氏は語ります。
年収アップ転職のコツ(2):事業が拡大するイメージのある会社を選べ
A氏が次に考えたのは、仕事のできるいわゆる「スーパーマン」に依存した事業や会社は業績のブレが大きく、ボーナスの比率が高いと意外に年収は安定しないというものでした。