オーストリア出身の経営学者であるピーター・ドラッカーは「将来についてわかっている唯一のことは、今と違うということだ」という名言を残しています。
経済状況や物価上昇、自分の身の回りの環境など、どのようなことにもあてはまる言葉でしょう。
では、みなさんが日ごろの生活や将来に向けて最も不安だと思うことは何でしょうか。
生命保険文化センターの調査によると、「自分が病気や事故にあうこと」が全体で18.6%、つづいて自分自身の老後や介護などの不安が多い結果となりました。
何が起こるかわからない将来。とはいえ、いまの現状を把握して備えることはできます。
今回は、いまどきシニア女性がどのくらい公的年金を受け取っているのかを、厚生労働省の最新資料をもとに考察していきます。
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1. 公的年金のしくみを整理!
さいしょに、日本の公的年金制度のしくみを確認します。
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2つの制度から成り立っています。2階建て構造とも呼ばれていますね。
自営業やフリーランスなどが加入する「国民年金」の保険料は一律ですが、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」は年収によって保険料が違います。そのため、受け取る年金額は個人差があります。
今回は、「何人が、いくらくらい」もらっているか、厚生年金と国民年金の年金月額について受給額分布を確認していきます。