筆者がフィリピンのとある島でボランティア活動をしていた頃、地元の働き盛りの男性は昼前から毎日お酒を飲んで過ごしており、「この人たちは働かずにどうやって収入を得ているのか?」といつも不思議に思っていました。

結論としては、働いていなかったわけではありません。私が住んでいた島では夜中や朝方から海や山にいって仕事をして、昼前に終わってお酒を楽しむということでした。

フィリピンは暑い国なので、涼しいうちに仕事を終わらせるという習慣だったのかもしれませんね。

いずれにせよ、「働かなくても収入を得る」ことができれば、いまよりもさらに人生が充実しそうな予感がします。実はいま、そんなライフスタイルが最近注目を浴びています。

「FIRE」という言葉を聞いたことがありますか? ”Financial Independence, Retire Early”の略で「経済的に自立して、早期に退職する」という意味です。

最近では「サイドFIRE」という言葉もあります。「不労所得+労働収入」で必要な分だけ働きながら自由度高く生活するライフスタイルです。

ただそれを実現している人はどれぐらいいるのでしょうか。会社員の場合は、厚生年金を老後資金の軸に、生活を送る方が大半でしょう。

そこで今回は、そうした「普通の会社員」でもFIREを目指すための方法と注意点を紹介していきます。

【注目記事】女性「ひとりの老後」厚生年金の平均月額はいくらなのか

1. 「厚生年金+不労所得」で作りたい最強の老後対策

いまの生活水準を維持するために、老後は生活費の100%を不労所得でまかなうことは簡単ではないでしょう。

そこでまず知りたいのが「公的年金をいくらもらえるか」ということ。公的年金は老後の収入の柱となるものです。

会社員や公務員などの「第2号被保険者」であれば、将来厚生年金を受け取ることができます。もらえる年金額は現役時代の年収や加入期間によって異なります。

出所:厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

〈全体〉平均年金月額:14万3965円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万3380円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4686円

全体平均では14万3965円となりましたが、男女差は約6万円です。女性の場合、結婚や育児、介護を機に働き方が変わることが一因として挙げられます。

自分がどのくらいの公的年金を受け取れるかは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認することができます。この機会に一度みてみましょう。

1.1 【ご参考】公的年金にまつわるデータまとめ

出所: 日本年金機構「国民年金保険料」、厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」」をもとにLIMO編集部作成

次では、実際に不労所得を作るための方法を3つ、ご紹介します。