【終活】モノやコトより「お金」を遺したい人の割合が多い

株式会社ハルメクホールディングスの行った調査では、遺したいものとして全体の約4割が「おカネ」を遺したいと回答しており、モノやコトよりも多い結果となりました。

出所:株式会社ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所調べ

株式会社ハルメクホールディングスの同調査で、おカネを遺したいと回答した人に「今後の生活や自分の死後のことを考えて、遺したいと思う金額を総額で教えてください」と聞いた設問では、回答の平均金額が3126万円9428円となりました。

これはあくまで平均金額であり、1つの回答が極端に多い金額になっていると数値が偏ってしまうため、参考金額として捉えると良いでしょう。

金融広報中央委員会の行った「二人以上世帯の金融調査」では、50歳〜70歳代の平均貯蓄額は下記の結果となりました。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」をもとに筆者作成

  • 50歳代:1253万円
  • 60歳代:1819万円
  • 70歳代:1905万円

どの年代も3000万円台に到達しておらず、中央値も1000万円未満です。このことからも、先述の平均金額を目安にするのは難しいと言えます。

遺族にどのくらい遺したらいいのかの目安は、自身の貯蓄額から老後に必要なお金を差し引いた金額で検討すると良いでしょう。

生命保険文化センターの行った調査によると、夫婦で老後生活を送ることを想定したうえで必要と考える最低日常生活費は、月額で平均23万2000円となりました。

上記の金額を目安に、受給予定の年金額を考慮しながら不足するお金を算出し、そのうえで家族に遺せる「お金」を一度検討してみてもいいかもしれません。

一方で、半数以上の人が「遺すものがない」「遺すつもりがない」と回答しています。

先の調査では、中央値がどの年代も1000万円に到達していないことから、自身の老後の生活費に充てる目的でほとんどを使い切ってしまう人が多いのかもしれません。

「家族にいくらおお金を遺せるのか」を事前に検討することで、「そもそも本当に遺すだけの資産はあるのか」「自身の老後資金にいくら必要なのか」など別の視点から、老後資金の見直しができるようになります。

こういった終活準備は老後の心配への解決策につながりやすくなるため、明るい未来のためにも、今一度終活を始めてみてはいかがでしょうか。