3. 2つのポイントから年金額に男女差が生じる理由をまとめる

これまでの統計結果を踏まえ、ここでは2021年(令和3年)に65歳以上である男女へ置き換えて考えてみます。

はじめに、2021年(令和3年)で65歳以上ということは、大まかに生年月日が1956年(昭和31年)以前に生まれていることが考えられます。

このとき、内閣府の「令和4年度版男女共同参画白書」より、この人たちの多くは、専業主婦世帯であった可能性が高いと考えることもできるはずです。

つまり、男性は厚生年金に加入して給料をもらって働き、女性は専業主婦として家を守っている世帯が全体的に多かったと予測できます。

このような世帯の場合、男性は厚生年金と国民年金のどちらも受け取れる一方、専業主婦の女性は、厚生年金に加入している期間が短いか、ほとんどないため、多くの厚生年金をもらうことができません。

現在、受け取る年金に男女差が生じているのは、年金を受け取っている人(世帯の働き方)や厚生年金の計算方法が影響を与えているためといえます。