年金は、年齢が65歳になると、国民年金から支給される「老齢基礎年金」と厚生年金保険から支給される「老齢厚生年金」を合わせてもらう流れが基本です。

これらの年金は、年金を受け取るための条件(支給要件)を満たしているので、男女差による性別の違いが生じることはありません。

しかし、厚生労働省年金局が2022年12月に公表した「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見ると、実際に受け取った年金額に男女差があることを確認できます。

そこでこの記事では、男性と女性が受け取る厚生年金の平均月額を紹介し、年金額に男女差が生じる理由はどのような部分にあるのか、考えられる簡単な理由を紹介します。

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1. 男性と女性が受け取った厚生年金の平均月額と男女差

はじめに、厚生労働省年金局が2022年12月に公表した「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年(令和3年)に65歳以上の男性が受け取った厚生年金の平均年金月額は、約16万9000円となっています。

出所:厚生労働省年金局 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

その一方で、2021年(令和3年)に65歳以上の女性が受け取った厚生年金の平均年金月額は、約10万9000円です。

出所:厚生労働省年金局 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況


なお、紹介した男性と女性の平均年金月額には、厚生年金のほか国民年金から支給される基礎年金も含まれている点に留意が必要なものの、男女差は、月額で約6万円あることがわかります。