2. 2023年4月からの「特例的な繰下げみなし増額制度」とは何か
2023年4月からは、「特例的な繰下げみなし増額制度」が施行されます。
「特例的な繰下げみなし増額制度」とは、70歳到達後に繰下げ申出をせずにさかのぼって本来の年金を受け取ることを選択した場合でも、請求の5年前の日に繰下げ申出したものとみなす制度です。
71歳まで繰下げ待機し、71歳時点で繰下げ申出をせずに本来の年金を受け取ることを選択した人の場合で、「特例的な繰下げみなし増額制度」をシミュレーションしてみましょう。なお、シミュレーションの前提として65歳から受け取りを開始した場合にもらえる年金は年間180万円とします。
日本年金機構によると、シミュレーション結果は以下のとおりです。
66歳時点(71歳-5歳)で繰下げ申出したものとみなすため、年間の年金額は195万円(180万円×108.4%)に増額します。
そのため、66歳〜71歳までの5年間分である975万円(195万円×5年間)を一括で受け取ることが可能です。
また、72歳以降に受け取れる年金額は年間195万円(66歳から受給を開始した場合と同額)となります。
特例的な繰下げみなし増額制度の対象となる人は、基本的に2023年3月31日時点で71歳未満の人になります。
また、老齢基礎・老齢厚生年金の受給権を取得した日が2017年4月1日以降の方となります。