1. 女性の厚生年金受給額は平均10万5000円

厚生年金の受給額が月10万円未満の女性の割合を確認する前に、まずは厚生年金の平均受給額を見てみましょう。

厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、女性、男性、受給者全体それぞれの厚生年金の平均受給額は以下の通りです。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

厚生年金受給者全体の平均受給額は約14万4000円ですが、女性の平均受給額は約10万5000円と、平均よりも約4万円少ないことがわかります。

2. 厚生年金が月10万円未満の女性は約48%

女性の厚生年金受給額の平均が約10万5000円ということは、月10万円未満の女性の割合が多いことが考えられます。

厚生労働省の同調査によると、厚生年金を受給している女性は535万2232人で、そのうち月10万円未満の方は256万1128人です。

割合にすると約47.9%の方が月10万円未満となっており、厚生年金を受給している女性の約半数が該当することになります。

ちなみに、厚生年金が月10万円未満の男性の割合は約11%と、厚生年金を受給している方の約1割程度にとどまっています。

厚生年金の受給額は、会社員や公務員として働いていたときの年収によって差が生じ、一般的に年収が高額なほど厚生年金として受け取る金額も高額になります。

女性は結婚や出産を機に仕事を辞めたり、時短勤務にしたりする方が多いため、男性に比べて生涯賃金が少なくなる傾向があります。

生涯賃金が少なければそれだけ厚生年金として受給できる金額も少なくなるため、女性の方が受給額が少なくなると考えられます。

このような実態を知ると、「私は厚生年金を月いくらもらえるの?」と知りたくなる方もいるでしょう。そこで次章では、将来の年金額を試算するツールについて解説していきます。