セカンドライフへ向けての計画
退職後のライフプランを考えるにあたって、まずは収入と支出について考える必要があります。
退職前と退職後で大きく変わる収入。把握するために、以下のように分けて考えてみましょう。
1. 退職前の収入
現在の収入については、もっとも把握しやすいのではないでしょうか。
現在の収入を基本として、何歳まで継続して収入が得られるのか、再雇用で働く場合はその歳の給与も計算しておきましょう。
2. 退職前の支出
今の時点で正確に支出額を把握できていない場合は、再度見直してみましょう。
基本的な生活費の他に、教育や住宅に関する各種ローン、保険など月々の支出がどのくらいあるのか、並べて把握しておきます。
把握の途中で、保険の見直しなど今すぐに削減できそうな支出も見えてくるでしょう。
退職前の収入と同様にいつまで現在の支出が続くのか、把握しておくことも大事です。
返済できそうなローンがあれば、繰り上げ返済をすることで今後の生活が楽になります。
3. 退職後の収入
退職後の基本的な収入は公的年金です。
50歳以上の人を対象にして、毎年誕生月に届くねんきん定期便の中には、現在と同じ条件で60歳まで継続加入した場合の老齢年金見込額が記載されています。
見込み金額をベースとすると、基本的な生活スタイルがイメージしやすくなります。
退職時の資産残高や退職金、その他の収入を合わせつつ、セカンドライフの見通しを把握しましょう。
4. 退職後の支出
退職後の支出のベースは、日々の生活費です。
退職後の生活費は、退職前の生活費よりも2割増しで考えておくと良いでしょう。
なぜ、2割増しで考えておいたほうが良いのでしょうか。
その理由として、以下の2点を挙げてみたいと思います。
まずは旅行や趣味などの遊興費です。
退職すると今よりも自由な時間が増えるため、自分の趣味ややりたいことに時間を使いたくなります。
できるだけお金をつかわない趣味でとどまれば良いのですが、念の為余裕資金は残しておきたいところです。
遊びや趣味に使わずに我慢する、という選択肢もありますが、できれば早い段階から余裕あるセカンドライフの計画を立てて目指すほうが、より豊かな人生を送ることができます。
次に社会背景の変化への対応です。
昨今の政情不安定による物価高など、その時代ごとに何がおこるか分かりません。
また、将来的には公的年金の減額や受給年齢の引き上げも想定されます。
生きていると心配事は尽きませんので考えすぎてもしょうがないのですが、安心のために多少の余剰資金は持っておきたいところです。