2023年度の年金額が公表され、3年ぶりのプラス改定となりました。
実際には物価上昇ほどに追いつけず「目減り」とはなりますが、単純に年金収入が増えるとなれば、嬉しく感じるものですよね。
しかし、4月14日に振り込まれた年金額を確かめてみると「あれ、以前と変わってない!」と感じてしまう方もいます。
年金改定の実態や支給日について見ていきましょう。
【注目記事】【年金】みんな「厚生年金と国民年金」は本当は月いくらもらっているのか
1. 2023年度の年金額は3年ぶりのプラス改定(引き上げ)
厚生労働省の発表によると、2023年度の年金額の例は次のとおりとなります。
国民年金(老齢基礎年金):6万6250円(1人分)※
厚生年金:22万4482円(夫婦2人分)
※2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額 6万6050円。
厚生年金の金額は「夫婦2人分」の合計金額となっており、内訳は以下のとおりです。
- 夫の国民年金(老齢基礎年金)
- 夫が平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円で40年間就業した場合の厚生年金
- 妻の国民年金(老齢基礎年金)
夫の収入が限定的である点、さらには妻が専業主婦であると想定されている点などから、この数字が全員にあてはまるわけではないことに注意が必要です。
2023年度にはマクロ経済スライドが発動し、年金の給付水準が調整されました。
そのため、物価の上昇ほどには年金額があがらないこととなっています。
これが「実質目減り」とされる要因にはなりますが、年金制度の維持のためには必要な制度となっています。
それでも年金の額面が増えるのであれば嬉しく感じるものですが、なぜ4月14日振込分の年金額は変化がなかったのでしょうか。