5. 4月からの2023年度の「年金額」は増額も実質目減りへ
老後不安が高まる一つに少子高齢化があります。政府は少子化対策のたたき台を先日公表しましたが、少子高齢化は長引く問題となるでしょう。
厚生労働省によれば、2023年度の国民年金と厚生年金の年金額は以下の通り。
5.1 2023年度の国民年金と厚生年金の年金額
- 国民年金(満額):6万6250円(新規裁定者。68歳以上の方は6万6050円)
- 厚生年金はモデル夫婦(2人分の国民年金と厚生年金):22万4482円
2023年度の年金額は昨年度と比べれば増額となりますが、マクロ経済スライドにより、物価上昇分には追い付かず実質的には目減りとなります。
このような点も老後への不安に影響しているでしょう。
6. 老後対策は早めがカギ
はじめの株式会社カケハシ スカイソリューションの調査によれば、60歳代前半の78%が、60歳代後半の54%が働いています。
現代の60歳代が長く働いているように、働き続けて貯蓄を守る・増やすことは重要でしょう。
一方で、70歳代以降もいつまでも働けるかといえば、そうとは言えません。いつか働けなくなることを想定し、お金に働いてもらう「資産運用」を検討するのも一つです。
資産運用にはさまざまな方法があり、私的年金(個人年金保険やiDeCoなど)や積立投資、株式投資、不動産投資などがあります。
資産を守る・増やすには人もしくはお金、また両方が働く必要があります。さまざまな選択肢を考えながら、ご自身に合ったマネープランを考えてみてください。
参考資料
- PRTIMES【65歳から新しい仕事を開始?】定年退職後の60代男女1100人に定年後の仕事とお金事情を調査!専門家によるセカンドキャリアのアドバイスもご紹介します。
- 厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和4年)各種分類別データ」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
宮野 茉莉子