株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年8月4日から8月10日)の株価動向を振り返る。
業種別振り返り-決算内容により選別色の強まった1週間
今週は、非鉄金属株、石油・石炭製品株、鉄鋼株など7業種が上昇。
2018年3月期第1四半期の業績予想を上方修正した三井金属(5706)は、年初来高値を更新。昭和シェル石油(5002)も、2017年12月期中間決算が増収増益になり在庫評価損が解消されたことに加え、出光興産(5019)との合併期待から値を上げた。
また、先週以来、好決算の発表が相次いだ鉄鋼株に買いが目立ち、新日鐵住金(5401)、神戸製鋼所(5406)が上昇した。
一方、保険業株、金属製品株、精密機器株など26業種が下落。
米金利安を背景に、収益悪化の思惑から金融セクターは軒並み冴えず、東京海上ホールディングス(8766)は年初来安値を更新、T&Dホールディングス(8795)も下落。好決算を発表したものの、増産による需給悪化懸念が高まったSUMCO(3436)も値を下げた。
2018年3月期第1四半期の業績予想において、市場予想を下回る内容を発表したオリンパス(7733)は、年初来安値を更新する場面も見られた。
今後のマーケット見通しの注目点
今週も、先週に引き続き好決算銘柄を中心に買いが入る相場展開となった。一方、3連休を控える中、北朝鮮情勢など地政学リスクへの警戒感から、大きく売られる場面も見られた。また、外国為替市場において、1ドル=110円台の円高・ドル安も嫌気された。
来週は、好決算銘柄に継続的な買いが期待できるものの、外国人投資家の休暇入りに加え、日本もお盆入りすることから、東京株式市場は売買代金の乏しい相場展開となりそうだ。