2. 60歳代の平均的な年金月額はいくらか

60歳代の平均貯蓄額がわかったところで、次に年金月額を確認していきましょう。

公的年金には、主に国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)のふたつがあります。

現役時代に会社員や公務員などだった方は厚生年金を、自営業や個人事業主、専業主婦などだった方は国民年金を受給します。

令和3年度における60歳代の平均年金月額を下表にまとめましたのでご覧ください。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

厚生年金は月額約14万6000円を受給できるのに対し、国民年金は約5万6000円となっており、厚生年金を受給する方よりも9万円程少ないことがわかります。

また、厚生年金は現役時代の年収や厚生年金保険加入期間により受給額が異なり、一般的に年収が高く加入期間が長いほど受給額が高額になります(上限あり)。そのため、男性と女性とで厚生年金の平均受給額に差が生じているのが現状です。

実際に、男性の平均受給額が約16万9000円であるのに対し、女性の平均は約10万9000円 で、約6万円もの差が生じています。

こういったことから、特に国民年金受給者や女性で厚生年金を受給する方の場合、早いうちから老後生活のための貯蓄をしておく必要があるといえます。

そこで次章では、現役世代の方が老後生活のために準備できることを紹介していきます。