「人生100年時代」と言われる現代において、老後資金に不安を感じる人も多いのではないでしょうか。長生きすると、必要な老後資金はその分高くなります。

そこで注目したいのが、2024年からはじまる予定の「新NISA」です。では、新NISAを利用して、2019年に話題となった老後資金2000万円の用意は可能なのでしょうか。

本記事では、新NISAで老後資金2000万円を用意する方法をシミュレーションするので、参考にしてみてください。

2024年から新NISAが開始予定

2024年から開始予定の新NISAは、現行のつみたてNISAが「つみたて投資枠」に、一般NISAが「成長投資枠」に名前を変えて併用が可能になります。

新NISAの概要は以下のとおりです。

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出所:金融庁「NISAとは?」

2024年開始予定の新NISA概要

【つみたて投資枠】

  • 年間投資枠:120万円
  • 非課税保有期間:無期限化
  • 口座開設期間:恒久化
  • 投資対象商品:投資信託やETF
  • 対象年齢:18歳以上

【成長投資枠】

  • 年間投資枠:240万円
  • 口座開設期間:恒久化
  • 投資対象商品:上場株式・投資信託等
  • 対象年齢:18歳以上

非課税保有限度額:1800万円(成長投資枠は1200万円まで)

新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて年間360万の投資が可能です。また、非課税保有期間は無期限のため、期限を気にせずに長期投資ができます。

さらに、非課税保有限度額は1800万円(取得価格ベース。うち成長投資枠は1200万円まで)と高額なため、多額の資産運用も可能です。

老後資金2000万円を用意するには

では、新NISAで老後2000万円を用意するには毎月いくらをつみたてればいいのでしょうか。

金融庁「資産運用シミュレーション」で試算した、60歳で2000万円を用意するために必要な毎月の積立金額は以下のとおりです。年利3%での運用を前提とします。

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出所:金融庁「資産運用シミュレーション」をもとに筆者作成

60歳で2000万円を用意するために必要な毎月の積立額

投資開始年齢 毎月の積立額

  • 30歳 3万4300円
  • 35歳 4万4800円
  • 40歳 6万900円
  • 45歳 8万8100円
  • 50歳 14万3100円

※年利3%での運用が前提

30歳時点で新NISAを始めるのと50歳時点で新NISAを始めるのとでは、必要な毎月の積立額に約4.2倍もの差が出ます。

毎月約14万円以上もの投資はかなり難易度が高く、多くの人にとって現実的な方法ではないでしょう。

積立投資ではできるだけ若いうちから新NISAで投資をはじめることが、老後資産を築くために重要なポイントと言えます。

一方で、運用ですからリスクはありますし、何%で運用できたかは後にならなければわかりません。きちんと情報収集することが大切です。

老後資金は収入とセットで考えよう

新NISAでの老後に向けた資産形成とセットで考えたいのが、老後の主な収入源となる「年金」です。

新NISAで用意した老後資産は使えば減ってしまいますが、年金は受給開始から生きている限り受給し続けられます。

生活費が毎月20万円で、年金受給額も毎月20万円であれば、老後資金を多く用意する必要性はそこまで強くないかもしれません。

そのため、新NISAでの老後資金準備を検討するにあたっては、「年金受給額の事前把握」が重要です。

厚生労働省「公的年金シミュレーター」をもとに試算した、1970年生まれの会社員が23歳から60歳まで勤務した場合に、65歳から受給する平均年収ごとの年金受給額は以下のとおりとなります。

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出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」をもとに筆者作成

平均年収ごとの目安年金受給額

平均年収 目安年金受給額

  • 300万円 月11万円
  • 400万円 月12万5000円
  • 500万円 月14万5000円
  • 600万円 月16万円
  • 700万円 月17万5000円
  • 800万円 月19万円
  • 900万円 月21万円

※1970年生まれの会社員が23歳から60歳まで勤務し、65歳から受給する場合

上記を見てわかる通り、平均年収が高いほど年金受給額は高額になる傾向があります(上限があります)。高年収の共働き夫婦であれば受給額は高額になると考えられるため、生活費を年金だけで賄うことも可能でしょう。

一方で、年収が低い会社員や自営業者などは年金受給額が少額になる場合があります。そのため、私的年金や新NISAなどで老後資金を用意する必要性が高くなるでしょう。

実際には個人差があるため、試算をしてみるといいでしょう。

若いうちから老後を見据えて行動しよう

老後は突然やってくるものではありません。まずは、今の年収や生活水準を続けたら老後にいくら年金がもらえて、いくら資金が用意できるのかをシミュレーションしてみてください。

シミュレーションした結果、受給できる年金が十分で資産も十分に用意できるのであれば、無理をして節約をする必要はないかもしれません。

一方で、年金受給額が少なく十分な資産も用意できないのであれば早くからの老後対策が必要です。

対策には「転職や副業で収入を増やす」、「節約で支出を減らす」、「投資で資産を増やす」など多くの選択肢があります。

投資はリスクがありますが。一般的に積立投資は若いうちから始めるほど、時間が味方をして効果が大きくなる傾向もあります。この機会に老後をシミュレーションして、老後を見据えた対策を始めてみてください。

参考資料